勝者はどっち!? 激闘! シスコ IOS×ジュニパー JUNOS スイッチ/ルータは搭載OSで比較せよ!
ルータ市場で20年以上もリーダーの座に君臨してきたシスコシステムズを、ジュニパーネットワークスが猛追している。かつてジュニパーは、サービスプロバイダー向けの大型ルータ専業ベンダーだったが、その後幾つかの企業を買収し、製品ラインアップを拡充してきた。今、両社の競争は、それぞれの機器に搭載されたOSに主戦場を移し、激しい攻防を繰り広げている。果たして、「IOS」と「JUNOS」のどちらがすぐれているのだろうか。
内蔵OSを巡る
両社の言い分と思惑
ジュニパーネットワークス(Juniper Networks)は、シングルOSのアプローチによって、高いネットワークパフォーマンスを実現することを売りにしている。同社のルータ/スイッチやセキュリティ機器などの各種プラットフォームに同一の「JUNOS」を搭載することによって、運用コストを削減できるだけでなく、管理も容易になると、Juniperは主張している。
一方、ライバルのシスコシステムズ(Cisco Systems)は、新製品をリリースするたびに新しいOSを発表しているようだ。したがって、新製品が出るたびに、当初の「IOS」は遠い昔の存在になるということである。実際、本稿執筆時点(2008年4月)で、すでにCiscoはデータセンター向けスイッチ用の新しいOSと、次世代エッジルータ用の新しいOSを発表している。また4年ほど前には、コアルータ製品用にも新しいOSをリリースしている。
仮にJuniperの主張が正しいとすれば、Ciscoはまさに自分で自分の首を絞めているようにも見える。
もっとも、Ciscoがすぐにも市場の優勢を奪われそうだというわけではない。調査会社のデロオログループ(Dell'Oro Group)によると、Ciscoは2007年のエンタープライズ向けルータ市場(42億ドル規模)で82%のシェアを占め、サービスプロバイダー向けのエッジルータ市場(47億ドル規模)では54%、サービスプロバイダー向けのコアルータ市場(27億ドル規模)では55%のシェアを占めている。対するJuniperのシェアは、それぞれ5%、18%、30%と、いずれのカテゴリーでもCiscoの後塵を拝し、2位に終わっている。さらにDell'Oro Groupによれば、Ciscoは、2007年のLANスイッチ市場(180億ドル規模)で71.5%のシェアを占めている(Juniperは、同社初の企業向けLANスイッチとして「EXシリーズ」を2008年3月に出荷したばかりのため、シェアはまだカウントされていない)。
では、結局のところ、CiscoとJuniperのOSの違いはほんとうに重要なのだろうか。これらのOSには、ネットワーク市場のバランスを変えるほどの影響力があるのだろうか。
少なくともJuniperはそう考えているようだ。
「当社の顧客は、複数のOSが提供されることを望んではいない。“どの製品にどのOSが対応するのか”ということを考えるのがイヤなのだ。それに、複数のOSを使うということは、運用コストが増加することにもなる」とJuniperの創業者兼最高技術責任者(CTO)のプラディープ・シンドゥ(Pradeep Sindhu)氏は、2008年3月に開かれたアナリスト向けカンファレンスで話している。
一方、Ciscoは「IOS」「IOS XR」「IOS XE」「NX-OS」といった多様なOSを提供しているが、その理由について「すべての製品で一貫性が保たれ、なおかつ製品が最適化されていることを期待する顧客のニーズにこたえるためだ」と説明している。また、Juniperが「シングルOSのアプローチ」を宣伝文句としていることに対し、「誤解を招きかねない主張だ」と指摘している。
Ciscoのサービスプロバイダー部門マーケティング担当シニアディレクターであるスラジ・シェティ(Suraj Shetty)氏は次のように話している。
「当社はIOS、IOS XR、IOS XE、NX-OSのすべてにわたって一貫性のあるユーザーインタフェースを適用しており、その一方で、セグメントあるいはアーキテクチャ固有の要件にも対応している。Juniperが“すべての製品にわたって単一のOSを提供している”と主張しているのには驚いた。Juniperは、JUNOS、JUNOS ES、ScreenOS、JUNOSe、IVE OS、NetScreen-IDP、WXOS、CTPといったOSのほか、ネットワークセキュリティ管理ソリューションのSecurity Threat Response Manager(STRM)用にOEM OSも提供している。しかも、これらのOSはそれぞれ異なるユーザーインタフェースを備えている。このやり方のほうが当社のアプローチと比べて、顧客にかかる負担ははるかに大きい。当社のアプローチは、顧客からの要望にこたえつつ、一貫性のあるルック&フィールを保つものだ」
アナリストによれば、ユーザーにとっては1種類のOSで済むほうが好ましいのは当然だが、現実的にはベンダーの技術資産や戦略(特に買収関連)が関係してくるため、実現は容易ではないという。

























