画像編集も可能に――モジラ、「Firefox 3.5」のプレビュー版を公開
新JavaScriptエンジンと内蔵型ビデオ再生機能で、他ブラウザとの差別化を図る米国Mozillaは6月8日、Webブラウザ「Firefox」の最新版である「Firefox 3.5」のプレビュー版を公開した。Firefox 3.5には複数の次世代機能が実装されており、Mozillaはこうした新機能が、他ブラウザとの差別化につながると期待している。
ニューヨークで取材に応じたMozillaのFirefox担当ディレクター、マイク・ベルツナー(Mike Beltzner)氏によれば、Firefox 3.5の正式版は6月末にリリースされる予定だという。同バージョンには新JavaScriptエンジンが搭載されており、サードパーティのアプリケーションを使用しなくても、ブラウザ内で画像を編集できるようになるという。
また、サードパーティのビューワやプレイヤーを使わずに、ブラウザ上で映像を直接再生する機能や、Webページ上の映像コンテンツと動画を連動させる機能も追加された。
「Mozillaは、オープン・スタンダードに基づいた技術を提供している。将来的にはWebをコンテンツ・デリバリー・エンジンとして、さらにはアプリケーション開発プラットフォームとして活用してほしい」(ベルツナー氏)
「TraceMonkey」と呼ばれる新JavaScriptエンジンは、Firefox 3.0に搭載されていたものと比べて速度が倍増しており、「Adobe Photoshop」などの画像編集ソフトがなくても、ブラウザ内で画像を編集できる技術を提供するという。
ベルツナー氏は「TraceMonkeyはオンライン・アプリはもちろん、ローカル・アプリでしかできなかった作業もできるようになる」と自信を見せる。
「特に動作が複雑で非常に遅いWebアプリで作業するなら、Firefox 3.5を利用したほうがよほど速いと感じるだろう」(ベルツナー氏)
もう1つの特徴は、オープンソース・ビデオ・コーデックをベースとした「Ogg」である。これはXiph.Org Foundationが開発したもので、Oggコーデックを利用している映像は、別のメディア・プレイヤーを利用しなくてもFirefox 3.5上で再生できるというものだ。
また、同ブラウザ上で再生する映像を作成する場合、「Flash Player」やその他のプロプライエタリ・プレイヤー向けコンテンツを作成するときのように、コーデックを所有しているベンダーにライセンス料金を支払う必要もない。
さらにベルツナー氏は、「映像再生機能と連動した広告キャンペーンやエンタープライズ・アプリケーションなど、リッチな次世代Webベース・アプリケーションが登場する可能性がある」と語る。
現在、映像技術はWebサイトのほかの要素とは異なるコーディングが施されており、両者の間には相互連係が存在しない。
しかし、例えばOggコーデックが使われている「Hulu.com」のテレビ番組を視聴していて、登場キャラクターが着ているシャツを購入したくなった場合、Firefox 3.5ならそのシャツをクリックすれば、シャツの販売サイトを表示することが可能になるという。
IT専門の調査会社である米国IDCでプログラム・ディレクターを務めるアル・ヒルワ(Al Hilwa)氏は、「オンライン広告主や開発者が、広告プラットフォームやコンテンツ・デリバリー・システムとしてWebを活用する選択肢を増やす技術には価値がある。そういった観点からFirefox 3.5は、競合製品とうまく差別化できている」と分析した。
とはいえ、ブラウザ・シェア第一位の「Internet Explorer」と比較し、Firefoxの利用率は低い。「優れた新機能が搭載されたとはいえ、あらゆるユーザー層が新機能をフルに活用するとは言い切れない。Webブラウザ市場におけるFirefoxのシェアは15%だ。この事実を理解しているコンテンツ・プロバイダーやWebサイト運営者が、Firefox 3.5にほんとうに魅力を感じるのかどうかは様子見だろう」(ヒルワ氏)
Firefox 3.5のプレビュー版は、同社のWebサイトからダウンロードできる。ただし、今週に予定されていたリリース候補版の配布は、脆弱性解消を徹底するため、来週に延期されている。
(Elizabeth Montalbano/IDG News Serviceニューヨーク支局)



























