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【Blog】

ピンチに陥ったモジラ、「Firefox」の意義をあらためて訴える

Firefoxがなぜ重要なのか説明する新しい広報映像を制作
(2011年12月06日)

 マーケット・シェアを失い、懐へ入るはずだった収益も米国Googleに奪われつつある中で、米国Mozillaが「Firefox」ユーザーの感情に訴えかけるアピールを試みている。

 Mozillaが公開したビデオ「The Mozilla Story」は、同組織のルーツがコミュニティ・プロジェクトにあり、非営利組織が運営するオープンソースWebブラウザとしての価値がFirefoxにはあることを説明している。技術的な詳細は省かれ、ユーザーの利益を第一とする理念についての一般的な話がビデオの主な内容だ。

 「われわれは利益を追求せず、愛するWebを守るために戦っている」と、ビデオのナレーターは語り、最後に寄付を求めるコメントが流れる。

 このところ、Firefoxはさまざまな問題に直面している。先週はWebリサーチ企業StatCounterが発表した資料から、GoogleのWebブラウザ「Chrome」がFirefoxのシェアを抜いたことが明らかになった。その一方で、Mozillaは11月に失効したGoogleとの検索照会提携を再度結ぼうと交渉を進めている、この提携が2010年に生み出した利益は1億50万ドルに上り、Mozillaの収入の約80%を占めた。

 2011年におけるMozillaの収入は、その98%がすべての検索サービスによるものであるため、寄付を募ったところで収益にはそれほど大きな影響は及ばないだろう。しかし、ユーザーの心を動かし、Firefoxの重要性を思い出してもらうことは決してむだな努力ではない。

 筆者は個人的に、非営利かつオープンソースであることの美徳を訴えるよりも、MozillaはFirefoxの利点に関してもう少し積極的に強調すべきだったのではと思う。ビデオでは、Firefoxの「Do Not Track」機能やモバイル・Webブラウザとしての特性、Webアプリケーションとの連携などが簡単に言及されていただけで、これらの詳細な解説はなかった。Firefoxが株主の利益に縛られていないことはわかったが、営利目的のWebブラウザがユーザーやインターネットの利益とならない具体的な例が欠けている。

 Mozillaが防ごうとしている最悪のシナリオが実現したらどうなるのかを、ビデオの中でより鮮明に描けば効果的だったのではないだろうか。AOLやCompuServeが幅をきかせていた時代のように、周りを囲い込まれた“閉鎖的なWeb”が復活しかねないことをユーザーに伝えるのだ。Mozillaはこれまでも、モバイル・プラットフォームがクローズドな一点集中型にシフトしている現状を指摘し、こうした問題を懸念する発言を再三行ってきた。せっかくのPRビデオがこの手の議論に踏み込まなかったのは、まことに残念だと言わざるをえない。

(Jared Newman/PC World米国版)

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