ソーシャル・ネットワーキングの社内利用を成功させるには――2社の事例
テクノロジーも重要だが、計画性と実践力も大切6月24日、米国のボストンで開催中の「Enterprise 2.0 Conference 2009」(6月22-25日)にソーシャル・ネットワーキングのユーザー企業が集まり、それぞれ導入事例を発表した。彼らによれば、先進的なテクノロジーだけでなく、企業文化や目指すゴールなどを考慮することが、導入・運用を成功に導く秘訣だという。
まずは草の根的な手法で社員の関心を引く
コンファレンス参加企業の1社、Lockheed Martinでソーシャル・メディア・プログラム・マネジャーを務めるショーン・ダーレン・ジュニア(Shawn Dahlen Jr)氏は、企業の取り組みとソーシャル・メディアとを密接に結び付けるような導入の仕方を強く勧める、とプレゼンテーションの中で強調した。
ダーレン氏が言うところの「密接な結び付き」は、Microsoftの「SharePoint」をベースにLockheedが開発した、「Unity」と呼ばれるプラットフォームがベースとなっている。SharePointは従来からLockheedのIT環境を支える大黒柱のような存在であったため、同社がこの技術を選択したのは、何より実践的であることを重んじたことの表れでもあった。
Unityプラットフォームは、書類中心の企業文化を、wikiやブログを活用する先進的なものへと進化させる「原動力」になった、とダーレン氏は言う。
Lockheedの場合、社内にUnityを普及させるのに、草の根的な手法を採用した。同社がまず取り組んだのは、情報システム部や国際サービス部の従業員の関心を引くため、「ポスターを張り出す」程度のことだった。
その後、さまざまな部門の役員に何度もプレゼンテーションを行ったところ、この新たな試みに上層部も「強い興味を示した」(ダーレン氏)という。
Lockheedの情報システム部および国際サービス部の社員(5万5,000人)のうち、今ではおよそ2万人がUnityを利用している。もっとも、「存在を把握できる」社員の数は3万5,000人ほどなので、Unityの実質的な利用率は60%弱ということになる。ただし、残りの社員は極秘プロジェクトや国家建設計画などにかかわっていることから、そもそもUnityには参加できないのだと、ダーレン氏は説明する。
Unifyの成功は、コーポレート・マネジャー・クラスの上級役員から強力な支持を得られたことが大きい、と同氏。同プラットフォームは現在、社内で広く利用されるに至っている。
利用を強制するのは逆効果
一方、Lockheedでソーシャル・メディア製品マネジャーを務めるクリストファー・コヘイン(Christopher Keohane)氏は、全社員に利用を強制するのは、かえって生産性を低下させることにつながるとアドバイスする。
「企業文化と合致するものにすれば、ソーシャル・メディアは自然と普及していくはずだ。頭ごなしに使用を命令したりすると、それに従うために『受信箱をチェックする』だけの社員が増えかねない」(コヘイン氏)
会社上層部がソーシャル・プラットフォームを効率的に普及させたいと思うのであれば、一般社員と積極的にコミュニケーションを図り、彼らのアイデアを受け入れ、自らが率先して参加することがいちばんの近道になる、とコヘイン氏は考えている。
「全社員の意見を尊重する必要はないが、少なくとも彼らの声に耳を傾け、何らかの行動を起こしていることを彼らに示さなければならない」(コヘイン氏)
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