第3回実名のメリットと匿名のデメリット|Web 2.0|トピックス|Computerworld

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【短期集中解説】

第3回実名のメリットと匿名のデメリット

企業ユーザーのためのソーシャル・メディア利用ポリシー点検
(2011年04月28日)

ソーシャル・メディアの利用でしばしば議論されるのが「実名問題」である。第3回は企業がソーシャル・メディアを利用する場合の「名前」について考察したい。

駆け足で振り返る、名前問題の歴史

■インターネット黎明時代

 インターネットで個人(もしくは企業の中の個人)が情報を発信する際は、匿名が当たり前だと思っている人もいるようだ。しかし、歴史的に見るとそうではない。現在の実名論争に入る前に、過去の例を振り返ってみよう。

 インターネットの黎明期、まだ商用利用が許されなかった時代には、メーリングリストやニュースグループを使った情報共有が行なわれた。

 メーリングリストは現在でも存在するので理解しやすいだろう。参加したいメーリングリストを見つけたら、参加申請を出し、許可されればメールが配信される。

 ニュースグループは電子掲示板の原型で、通常は不特定多数に公開されている(特定の団体が運用しているものの中には認証を必要とするものもある)。現在でも使われているが、利用者は急速に減少しているうえ、日本のISP(Internet Services Provider)はほとんどサポートしていない。

 当時のインターネットの情報発信は研究目的が建前であり、所属組織を含めて名前を公開するのが常識だった。匿名の学術論文などあり得ないからだ。メーリングリストには単なる趣味嗜好によるものも多かったのだが、習慣で必ず所属と氏名は明記していた。「斉藤由貴メーリングリスト」に投稿している人が「東工大の××です」と名乗るのは、今思えばちょっとおかしい。               

■パソコン通信時代

 1980年代後半から「パソコン通信」と呼ばれるテキストを主体としたコミュニケーションが始まった。大手プロバイダーとして、NiftyServe(現在のニフティ)、PC-VAN(NEC)、ASCIInet(アスキー)が挙げられることが多かった。しかしその実態は、「二強一弱」だった(筆者のホームグラウンドは一弱のASCIInetだった)。

 パソコン通信で実名を公開する人は少なかったが、パソコン通信プロバイダーから割り当てられるIDにより個人を特定するのは難しくなかった。                    

■商用インターネット時代

 日本のインターネットで、匿名が一般的になったのがいつかはよくわからない。匿名掲示板「2ちゃんねる」の影響は大きいと思うが、因果関係は明らかではない。いつの間にか「個人を特定できる情報は公開すべきではない」という風潮が一般的になってしまった。それに拍車をかけたのが、「個人情報保護法」である。2005年から全面施行された同法は、正当な事業者が苦労するだけで、悪質な事業者の活動を制限することができていないように思うのだが、その話は別の機会にしよう。

 なお、米国では現在も実名が一般的である。米国でも、ストーカー事件などが起きているにもかかわらず、実名が圧倒的に多いのは不思議である。

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