SAP、企業向けコラボレーション・ツール「StreamWork」の提供を開始
「StreamWorkこそ、新生SAPの進むべき方向を示す重要な実例」ドイツのSAPは3月30日、米国Googleの「Google Wave」に似たクラウド・ベースの企業向けコラボレーション・ツール「StreamWork」の提供を開始した。
StreamWorkは、企業が直面するビジネスのさまざまな問題をリアルタイムで解決するための“仮想作戦司令室”とされており、ユーザーは、「メソッド」と呼ばれるウィジェット(SWOT(強み、弱み、機会、脅威)マトリクスなど)を使って答えを導き出すことができる。
また、StreamWorkは、さまざまなソースからデータを引き出すことができ、SAPのソフトウェアだけではなく、Microsoftの「SharePoint Server」など、他社のプラットフォームにも対応している。
すでに、文書管理ソフト・ベンダーのEvernoteとBox.net、ソーシャル・パブリッシング・プラットフォームのベンダーであるScribdの3社が、それぞれのアプリケーションをStreamWorkに統合している。
StreamWorkの簡易機能版は無料で利用でき、有料版は1ユーザー当たり月額9ドルとなっている。
3月30日に開催されたWebイベントでは、早期導入した顧客やパートナー、SAPの幹部がこの製品に関する意見を交換した。
その際、SAPのシニア・バイスプレジデントであるデビッド・メイヤー(David Meyer)氏は、「(今回のリリースにより)長い旅の最初のステージが終わった」と述べた。
この発言には、いくつもの意味がある。SAPは、サポート料金を値上げする方針を打ち出したもののユーザーの強い反発を受け、CEOのレオ・アポテカー(Leo Apotheker)氏をはじめとする経営幹部が会社を去るという事態になった。
現在、同社は組織の再編を進めており、アポテカー氏の後任としてビル・マクダーモット(Bill McDermott)氏とジム・ハーゲマン(Jim Hagemann)氏を共同CEOに選任するとともに、ソフトウェア分野の技術革新を推し進めるきっかけとなるような製品を開発していくという方針を打ち出している。
メイヤー氏は、「(StreamWorkこそ)新生SAPの進むべき方向を示す重要な実例だ」と強調する。
同氏は、StreamWorkについて「今仕事をしている空間を、無理のないかたちで拡張する製品だ。このアプリケーションを使えば、Webミーティングを招集し、ホワイトボードに図を書き、スタッフを会議室に集めるといった面倒な作業をあちこち歩き回らずに行うことができる」と説明している。
SAPは、StreamWorkをすでに同社の顧客となっている多くの大手企業に販売したいと考えているようだが、3月30日のイベントに参加した顧客は、新興企業のTasting Tableだった。
Tasting Tableは、米国内外の食のトレンドを追跡し、電子メールのレポートというかたちで毎日配信している。CEOのジェフ・バラタコビクス(Geoff Bartakovics)氏によると、同社では新しいサービスの名称を決めるといった日常業務でStreamWorkを活用しているという。
Testing Tableには正式なオフィスはなく、14人の従業員は米国全土に散らばっている。
バラタコビクス氏は、StreamWorkを使い、ある問題について社員の賛否を問うという作業を実演して見せた。このツールを使えば、電子メールを頻繁にやり取りする必要がなく、電話会議のように、大勢の声が錯綜して内容が聞き取れなくなることもないという。
(Chris Kanaracus/IDG News Serviceボストン支局)



























