企業の“未来”をとらえるビジネス・アナリティクス・ソフトウェア[Part1]|オフィス/業務支援|トピックス|Computerworld

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企業の“未来”をとらえるビジネス・アナリティクス・ソフトウェア[Part1]

ビジネス・アナリティクス最新動向
(2005年07月04日)

日々のビジネス活動によって蓄積されたさまざまなデータを精緻に分析することで、今、あるいは今後、どのような手を打てばよいのかが見えてくる――。一般に「ビジネス・インテリジェンス(BI)」と呼ばれるこの技術分野で、もっと注目されてしかるべき技術に「ビジネス・アナリティクス(BA)」がある。BIが基本的に過去のデータのみを分析材料とするのに対し、BAは、過去に加えて企業の未来も考慮する「予測指向型」であることを特徴としている。本特集では、BAのメカニズムやBIとBAの相違点について解説したのち、最新製品の評価を行う。まず、本パートでは、このソフトウェア技術の特徴と、ビジネス・インテリジェンス・ソフトウェアとのコンセプト、アプローチの相違について解説する。

過去のデータから企業の将来の方向性を探る

 ビジネス・アナリティクス(BA)は、企業内に蓄積されたデータに対して高度な統計分析処理を実行し、データ間のインタラクション(相互作用/関係)を探ったり、新たな傾向を発見したりする機能を提供するソフトウェア技術である。
 上記とほぼ同じような説明は、ビジネス・インテリジェンス(BI)ソフトやデータ・マイニング・ソフトでもなされることが多い。だが、BAソフトとBIソフトでは、統計分析処理の対象やワークフローなどの面で明らかな違いがある。また、データ・マイニング・ソフトに見られる統計分析処理の繰り返しを、BAソフトは基本的に行わない。これらについては、後に詳しく解説することにしよう。
 米国SASインスティチュートは、現在、「インテリジェンス・バリュー・チェーン」というコンセプトを掲げ、BIとBAの両領域を包含する統合パッケージ製品を提供している。BAとBIの違いについて、同社アナリティクス・インテリジェンス部門ディレクターのアン・ミレー氏は、「BIは過去の分析から成功のパターンを発見するツールで、BAは過去よりも未来に目を向けるツールである」と説明する。
 「過去の結果をまとめただけのリポートからは、企業の将来は見えてこない。BAソフトの存在意義は、過去のデータから企業の将来の方向性を探り、答えを見つけ出すことにある。BAソフトを導入すれば、過去から現在、未来へと連続的にビジネス分析を行うことが可能になる」(ミレー氏)
 米国101コミュニケーションズの1部門であるデータ・ウェアハウス・インスティチュート(TDWI)の設立者で、現在、コンサルティング会社のツー・クロウズを経営するハーブ・エデルシュタイン氏は、「多くの企業は、BAよりも話題にされる機会の多いBIに目が行きがちだ」と指摘する。データ・ウェアハウス関連のコンサルティングで知られるTDWIは、顧客企業にBA/BIソフトの導入支援および教育/トレーニングを提供している。
 「企業内に蓄積された過去のデータをひたすら調べ上げるというのがBIのアプローチだ。もちろん、この手法で多くの企業が効果を上げているのはすでに実証済みなのだが、単にビジネスの軌跡を振り返るためだけにBIソフトのリポート機能を使っている企業も多い。私が見るに、過去を踏まえつつも、将来、ビジネスをどのように進めればよいかを知るためにこのソフトを利用している経営者は少ないようだ」(エデルシュタイン氏)

「人間」が思いもつかない傾向を発見できるツール

 BIソフトによってはじき出された“答え”を解釈し、ある種、偶発的な統計結果から“真実”を選り分ける作業は、通常、ソフトウェアによる統計分析処理に精通したエキスパートにゆだねられることになる。
 BIソフトを利用する企業では、通常、統計分析に関する知識を有する担当者が、データ・ウェアハウスやOLAP(Online Analytical Processing:オンライン分析処理)ツールなどによって作成されたリポートを“事前分析”して「2次リポート」を作り、コンサルタントやアナリストなど社外の専門家に統計分析を依頼する。つまり、「ビジネス分析」の部分は、統計分析担当者やコンサルタントたちの頭脳によって行われると言ってよい。ここで導き出される分析はすべて、彼らの知識・経験に基づくものであり、彼らが考えもしないようなデータ間の相互関係が見つけ出されることはない。そのため、膨大なデータの陰に潜む、企業の将来にとっての重要な傾向なども、時には見逃されてしまう可能性が高いのだ。
 また、OLAPベースのBIソフトは、次に示すような「CPUリソース」の問題も抱えている。
 OLAPを実行するキューブ(注1)は、多次元データベースに格納された、数百フィールドに及ぶデータをさまざまな角度から分析するメカニズムを備えている。OLAPによる分析は、膨大なCPUリソースを要求するので、一般的な企業の場合、いくつかのフィールドを除外することになる。だが、フィールドを絞れば、必要なCPUリソースは減少するものの、数十の要素同士の微妙な相関関係を解き明かす可能性までも減ってしまうのである。
 上記のような問題を解決するのが、BAソフトということになる。コンピュータによる高度な統計・分析処理に重点を置いたBAソフトは、対象となるデータにおける相関関係を徹底的に調べ上げ、人間のアナリストが決して見いだせないような発見をもたらしてくれるのだ。


注1:OLAPにおけるデータ格納単位を指す名称で、RDBMSのテーブルに相当する

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