企業の“未来が”見えるビジネス・アナリティクス・ソフトウェア[Part2]
最新BI/BAソフトウェアの実力を測る蓄積された膨大なデータから、意思決定のヒントとなる情報を選び出すビジネス・インテリジェンス(BI)と、高度な分析統計ルーチンにより、企業の将来を見渡すことを可能にするビジネス・アナリティクス(BA)。本稿では、注目の両技術が、実際の製品において、どのようなかたちで具現化されているのかを探るべく、それぞれの“代表選手”として、イテレーション・ソフトウェアとスポットファイアーの製品を取り上げて、検証する。
蓄積された膨大なデータから、意思決定のヒントとなる情報を選び出すビジネス・インテリジェンス(BI)と、高度な分析統計ルーチンにより、企業の将来を見渡すことを可能にするビジネス・アナリティクス(BA)。本稿では、注目の両技術が、実際の製品において、どのようなかたちで具現化されているのかを探るべく、それぞれの“代表選手”として、イテレーション・ソフトウェアとスポットファイアーの製品を取り上げて、検証する。
Iteration Real-time Reporting Suite
●米国イテレーション・ソフトウェア
米国イテレーション・ソフトウェアの「Iteration Real-time Reporting Suite」(以下、Iteration Suite)は、「リアルタイム・フィードバック」をコンセプトに開発されたBIソフトウェアである。
Iteration Suiteでは、業務データを、常時更新される一連の情報(「データ・ストリーム」と呼ばれる)として扱い、迅速に処理を行うというリアルタイム性が重視されている。この特徴は、バッチ指向のETL(Extract、Transform、Load:抽出、変換、ロード)サイクルに依存する従来型のデータ・ウェアハウス製品とは大きく異なるものだ。
同製品のインストール時の選択項目や環境設定用のパラメータの数は驚くほど少ない。なお、ユーザー認証には、Windowsに組み込まれている標準機能などを使うことになる。
高速なメッセージ・キャプチャ
Iteration Suiteが扱うデータ・ストリームの“水源”に当たるのが「Enterprise Link」サーバである。これは、同製品にバンドルされる米国セイジェントのETLソフト「Sagent Data Flow Server」の1機能として提供される。同機能の役割は、業務システム、EAIシステム、データ・ウェアハウス、OLTPツールなどから、リアルタイムでトランザクション・メッセージをキャプチャすることだ。
Enterprise Linkによってキャプチャされたトランザクション・メッセージは、セイジェント独自のデータフロー言語を利用するSagent Data Flow Serverによって即座に変換され、Iteration Suiteの“心臓部”である「アクティブ・データ・キャッシュ(ADC)」に届けられる。ADCに届いたら、Iteration Suiteはそのメッセージを基に、既存の情報を更新したり、新たに書き加えたりする。この処理を高速化するため、メッセージはすべてメモリに格納されることになる。この手法により、ADCは、1秒間に最高1万1,000件ものレコード処理が可能となっている。ただし、この手法では、システムのCPUに非常に大きな負荷をかける。ちなみに、イテレーションは、Enterprise Linkが十分なパフォーマンスを発揮するためのシステムのスペックとして、4個以上のCPUおよび8GB以上の内蔵メモリを推奨している。
「情報ダッシュボード」を実現するリポート機能
Iteration Suiteのクライアント・ツールが提供するリポート機能は、ADCでの処理が終わり、中央システムに流れ込んでくる情報が変化するたびにリアルタイムで更新される「情報ダッシュボード」と考えればわかりやすい(画面1)。例えば、フィールドの1つとして、コールセンターにかかってくる1時間当たりの平均着信呼数を示すリポートを作成したとすると、その着信呼数が上下するごとに1秒単位で数字やビジュアル計器が変動するように設定できる。
リポートを作成するのは、管理者ではなく、一般の従業員である。そのため、Iteration Suiteのリポート作成ツールはマイクロソフトの「Power Point」のスライド・デザインを借用しており、多くのユーザーがすぐに使いこなせるようになるはずだ。各リポートにはさまざまな設定のビューが備わっており、各ビューは複数のビュー・タイプを持つ。また、このビュー・タイプも自由にカスタマイズすることができる。このツールを使えば、企業・組織内のだれであれ、閲覧許可を得ている情報から成るリアルタイムな情報ダッシュボードを作成できる。なお、リポートは電子メールなどに添付して送信することも可能だ。
VMLベースのグラフィカルな設定コンソール
Iteration Suiteのアラート機能は、「Event Engine」がMessaging Engineに関連データをルーティングすることで実現される。このEvent Engineは、データ・ストリームの“下流”に位置し、ADCにおけるデータ上のトリガやイベントを管理する。
アラート機能を利用する際、企業のIT部門は、あらかじめ定義したルールに従って、Webページや電子メール、インスタント・メッセージなどを送信するかのように、Messaging Engineに設定を施すことができる。中央システムは、アラートの応答を監視し、該当するアラートを定義済みのパスに渡す。なお、アラートの種類は、時間ベースとシナリオ・ベース(例:商品の売上高が一定金額を下回ったとき)の両方をサポートしている。
Iteration Suiteにおける環境設定のポイントは、Enterprise Link内のデータ抽出/変換、「Reports」エンジン内のリポート、Messaging Engine内のアラートの3つである。いずれのポイントも、Webブラウザの「Internet Explorer」がサポートしているVML(Vector Markup Language)を利用して、単一の設定コンソールから操作することになる。VMLベースのユーザー・インタフェースは、ブラウザ・ベースとは思えない“美しさ”と軽快な操作感を実現している。この設定コンソールを介して、システム管理者は、データの抽出/変換をはじめとする各種の設定を行うことになる。この設定が終わったら、データ・ソースを選択し、フィルタ、スプリッタ、プログラミング・エージェント、データ・シンクなどを通してデータ・ストリームの流れを指示すればよい。



























