社内でメールを撤廃すると企業はどうかわるのか
アドバンテッジリスクマネジメントにおけるコミュニケーションスタイル改革の成果メンタルヘルスケア事業や就業障がい者支援事業の分野で先進的な人事ソリューションを提供している株式会社アドバンテッジリスクマネジメントは、望ましいコミュニケーションスタイルを追求する中でメールの“限界”に直面し、サイボウズの「ガルーン」を社内コミュニケーション基盤に置き換えた。その結果、従来のメールが抱えていた時間コストや情報の不明確な優先順位、個人間で広がる格差といった問題を解決するとともに、これまでになかった組織のダイナミズムが働き始めたのである。
理想として追求すべきコミュニケーションスタイルとは
取締役執行役員
経営企画・事業開発担当 兼 経営企画部長
神谷 学氏
企業を取り巻く環境が厳しさを増していくにつれ、職場のストレスはますます増大しており、うつ病などのメンタルヘルス不調、モチベーション低下、早期離職などの急増が大きな社会問題ともなっている。
アドバンテッジリスクマネジメントは、そうした中で従業員のメンタルヘルスやモチベーションの改善に取り組む企業・団体を幅広く支援している企業だ。
具体的には、メンタルヘルス不調の予防、早期発見・早期対応、復職支援・再発防止から個人と組織の活性化までをトータルに支援する「メンタルヘルスケア事業」、病気やケガで長期間働けなくなった人を経済的にサポートするGLTD制度(団体長期障害所得補償保険)の構築・運用支援を中心とした「就業障がい者支援事業」などの分野で、先進的な人事ソリューションを提供している。
現在、同社の顧客数はのべ約500社、カバーする従業員数は約100万人に及んでおり、メンタルヘルス分野における業界トップクラスの企業となった。こうした同社の成長を背後から支えてきたのが、自らのコミュニケーションならびにワークスタイル改革に関する取り組みである。
同社の取締役執行役員であり経営企画・事業開発担当 兼 経営企画部長を務める神谷学氏は、理想として求めているコミュニケーションのあり方(要件)を次のように語る。
「まず重要なのは、関係するメンバーがもれなくカバーされている『包括性』で、必要な情報がすべてDB化された環境で参照できなければなりません。2つ目は、目的の情報をすぐに取り出せる『即時性』で、必要なアップデートが時間差なく行われなければなりません。3つ目が、コミュニケーションのプロセスにおける時間的な『一貫性』で、1つのイシュー(論点、課題)を最初から最後まできちんと追跡できる仕組みが担保されていなければなりません」
従来型メールの限界に直面しサイボウズの「ガルーン」を活用
こうした観点に立った時、同社が直面したのがメールにまつわる課題である。
現在、どんな企業においてもメールは最も基本的なコミュニケーション手段として位置づけられており、懐疑的な目が向けられることは少なかった。
そこに神谷氏は、次のような問題を指摘するのである。
「あらためてメールの利用状況を眺めてみると、多い人では毎日数百件ものメールを処理しており、貴重な時間リソースのかなりの部分を本来の業務とは本質が異なる作業で浪費しています。また、もともと1対1の親書形式でのやりとりを基本としているメールは、相手先による区別がなく、社内/社外のコミュニケーションが混在しています。深いコミットを求めるものと念のために共有されるものなど、重要度による区別も困難であり情報の海に埋没してしまいます。さらに、宛先やccに加えられるまでの時間差や個人間の格差が発生し、どのメールが最新バージョンなのかも曖昧になるなど、適切でない情報の蓄積によって誤った意思決定がなされる恐れがあります」
では、先に挙げたような理想的なコミュニケーションのあり方と、現状での主なコミュニケーション手段となっているメールの間にあるギャップを埋めるためにはどうすればよいのだろうか。その答えを模索する中で同社が選択したのが、「社内では従来型のメールをやめる」(神谷氏)というアプローチなのである。
同社は2001年に「サイボウズOffice 4シリーズ」を導入して以来、約10年にわたってサイボウズのWebグループウェア製品を活用してきた。そして、2007年に「ガルーン」へ移行を行ったのを機に、社内コミュニケーションに関しては全面的にガルーンのメール機能やメッセージ機能などを利用することとし、原則として従来型のメールは撤廃するという方針転換を行ったのである。
「ガルーンを社内コミュニケーションの基盤とすることで、例えばあるお客様の案件に対して、商品開発や営業プロセス管理、予算実績管理といった複数の観点から相互的に関わっていくことが可能となります」と神谷氏はその狙いを語る。
- 1
- 2



























