iPhone 4の大規模導入で、MRの生産性を大幅に向上させたファイザーの「モバイル活用哲学」
シームレスな情報共有と多様化するコミュニケーションへの対応も実現世界150を超える国々で医薬品事業を手掛け、日本市場においても50年以上にわたり、さまざまな疾患領域で事業を展開しているファイザー。同社のビジネスを医療現場で支えているのが、MR(Medical Representative:医療情報担当者)と呼ばれる社員だ。彼らの機動力と生産性の向上が、同社のビジネスを大きく左右すると言っても過言ではない。そうした中、ファイザーが注力しているのが、スマートフォンの活用だ。多忙な医師や薬剤師からのメールによる問い合わせに迅速に対応するとともに、各地にいるMR社員どうしの情報共有レベルを高めていくという狙いがそこにある。
スマートフォンは“生モノ” 「トレンド」とその時の「最適解」を見極める
米国に本社を構えるファイザーは、早い段階からスマートフォン導入に積極的だった。
iPhoneが発売される以前(2007年初頭)からグローバルでWindows Mobileの導入を検討し、2008年初頭には国内でもWindows Mobileの大規模導入の検討を開始している。そして2009年3月、ファイザーは国内で活動するMR社員向けにマイクロソフトのWindows Mobileを搭載したスマートフォン「Softbank X05HT」を約3,000台導入した。
しかし、その2年後となる2011年3月、同社は早くも“第2世代スマートフォン”として「iPhone 4」への切り替えを実施。従来からのMR社員に加えて本社スタッフも配布対象とし、トータル約4,800台へと規模を拡大した運用を開始した。
一般的なIT投資の考え方からすれば、このような短期間でのプラットフォームの大幅な方向転換は、あまり歓迎されないだろう。しかし、スマートフォンの黎明期といえる激動の中では、むしろ変わり身の早さこそが求められる。ファイザー・ホールディングズ ビジネステクノロジー プライマリー・ケアBTグループで統括部長を務める岡崎昌雄氏は、「スマートフォンは、生モノなのです」と語る。
機種変更した直接的な理由は、第1世代で導入したX05HTの2年間の契約期間が終了に近づいたからだという。しかし、それよりも決定的な理由は、「iPhoneやAndroid端末といった新たなモバイル・デバイスの台頭で、スマートフォンの勢力図やロードマップが様変わりしてきたため」と説明する。
「Windows Mobileを搭載したデバイスの選択肢が相対的に縮小していく一方で、コンシューマー向けデバイスのラインナップや機能は拡充しています。そうした中で高まっていったユーザーの要求水準に応えるためには、最新のトレンドを取り入れるのが最善と判断しました」(岡崎氏)



























