ITを使って人材を人"財"へ、企業競争力を高められるワークスタイル革新とは
Saba Software CEO ボビー・ヤズダニ(Bobby Yazdani)氏インタビューグローバル化が叫ばれて久しい。Eメールの登場により、インターネット上では、物理的距離に影響を受けずに迅速かつ情報量の多いコミュニケーションが実現されてきた。しかし現在は、より即時性が高いコミュニケーション方法も登場してきている。こうした中で、Eメール依存のコミュニケーションは現代のビジネス環境に適しているのだろうか。企業向け人材管理サービスを提供するSaba SoftwareのCEOであるボビー・ヤズダニ(Bobby Yazdani)氏に聞いた。
ボビー・ヤズダニ(Bobby Yazdani)氏
Saba Softwareは1997年に米国で設立、現在までに世界150カ国の企業1,600社以上に対しての導入実績を持つソフトウェア・ベンダー。同社の人財開発ソリューション、人材プラットフォームは、軍のほか、日本を含む世界の大手自動車メーカーや飲食チェーンなど多種多様なグローバル企業、組織が導入している。
「ITの進化はワークスタイルにも変革を与える」
ラップトップ、またタブレット型PC、スマートフォンなどが普及し、働く時間や場所に制限がなくなってきている。この中で、如何に効率の良い仕事を行うのか。これは企業、また社員にとっても課題の一つだが、こうした企業環境の課題について、ヤズダニ氏は「ワークスタイルにも革新が必要になっているのだろう」と見解を示す。
ワークスタイルの革新とはつまり何か。ヤズダニ氏はそのヒントとして「まず一つはクラウド・コンピューティング。これは働く場所の制約を取り除き、常に仕事と繋がっていることもできる。そして二つ目はソーシャル・コンピューティング。技術的な進化により、人の間の壁が取り払われようとしている」と語った。
また、この二つのキーワードにより、現在の企業競争優位性が"情報"から"人財"へとも変化しているとヤズダニ氏は指摘する。つまり、現在は情報が誰でも等しく取得できる環境が提供されており、この情報を他社よりも早く取得することよりも、情報を元にして提案されたプロジェクト、また業務に最適な担当者を選定することが、企業の競争優位性となりつつある、ということだ。
それではこうした企業環境を作り出すのはどうすればよいのだろうか。ヤズダニ氏は、「人材に関する情報に透明性を持たせることだ」と語る。その人物がどのようなスキルを持ち、どのようなプロジェクトにかかわっているのかのほか、同社が「人のネットワーク」と定義づけている人と人との繋がり(Facebookでいえば「友達」のようなもの)、またその人物がどのような分野、webページに興味を持っているのかなどを一覧化することで、誰でも興味を持った時点でその人物を知ることができる環境を整えるのが重要だと語る。
こうした体制を整えることで人事異動の際、管理職であればどのような人物が部下にいるのか、また部下であれば新しく配属された上司がどのような人物なのかを把握できる。また、異動元の部署では、業務やプロジェクトに最適なスキル、志向を持った後任者の選定も円滑に行える。
しかし、ヤズダニ氏は「現在は業務ごとで部署を作る縦割りの組織体制よりも、生産性や効率を上げる方法がある」とも語る。ここで言う"方法"とは、自社内の人材の特性を把握し、部署ではなく人材にプロジェクト、業務を担当させるという方法だ。その人材のスキル、志向などの情報を元にプロジェクトや業務を担当させることで、ビジネスのスピード感を高め、より高い生産性を確保できる、とヤズダニ氏は語る。
企業向けSNS「Sabaピープルクラウド」
Saba Softwareの企業向け人財プラットフォーム「Sabaピープルクラウド」は、一言で言えば企業向けのFacebookとも言えるPaaS。企業の組織管理に特化しており、人材のプロファイル機能や"共有"に関する機能を包括している。
主な機能として、Facebookのように自身、また他者の基本データの閲覧できるほか、その人物の売上目標や達成度合いの確認、人物の評価(非公表での投稿も可能)、プロジェクト/ディスカッショングループの作成・利用(閲覧者などを限定しないパブリック、限定するプライベートでの作成も可能)、関係の深い人物をフォローする/フォローされる機能を持つ。こうしたソーシャル・ネットワーク・サービスの機能を網羅しながら、"組織管理"に特化しており、参加プロジェクトや志向などから人材をレコメンドする機能、人と人のネットワークを関係図として確認できる機能も搭載している。
またこうした機能に加え、Web会議やチャット機能など、コミュニケーションにかかわる機能を搭載している。この人財プラットフォームに参加できる範囲も柔軟に設定でき、自社内のみからパートナーやサプライヤーなどエコシステムをも網羅する範囲の指定もできる。
セキュリティの面では、インフラからアプリケーションまでそれぞれに対策を施しており、グループごとでアクセスを制限機能などを備えている。また、現在は世界5か所のデータセンターを利用してサービスの展開をしているが、将来は国ごとの地域特性、ユーザー特性を見て必要に応じてローカルのクラウド環境の構築も計画していると言う。
自社製品を自信を持って紹介してくれたヤズダニ氏は、最後に「現在は一つの企業に出身国の異なる人材が存在する場面が増えている。故に現代の企業は国内、海外という概念はなく全てが等しくグローバル企業でもある。その中でも日本企業は国内、海外企業という概念が強いが、海外に挑戦するのではなく『すでにグローバル企業の一つだ』と自社のビジネスを考え、一歩踏み出してほしい」という日本企業へメッセージを送ってくれた。



























