「ファイナンス重視からマネジメント重視へ。管理会計の時代に対応せよ」――日本CFO協会の金児氏|経営/業務改革|トピックス|Computerworld

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経営/業務改革

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【Oracle EPM Summit】

「ファイナンス重視からマネジメント重視へ。管理会計の時代に対応せよ」――日本CFO協会の金児氏

日本古来の経営観と企業会計の国際潮流を解説し、経営プロセスの最適化を説く
(2008年08月28日)

8月27日に東京都内で開催された、日本オラクル主催の経営/財務マネジメント関連コンファレンス「Oracle Enterprise Performance Management Summit」。その基調講演に、日本CFO協会で最高顧問を務める財務会計のスペシャリスト、金児昭氏が登壇し、来場した経営者や財部・経理部門担当者に向けて、日本古来の経営観と企業会計の国際潮流を解説した。

信越化学での体験に基づく、金児氏のシンプルな経営観



「経営層がいかに意思決定を行っていくかが、企業の評価基準としても重視される」と語る日本CFO協会最高顧問の金児昭氏

 金児氏は、1992年から1998年まで信越化学工業の常務取締役として経理・財務、法務、M&Aなどを担当。また、1994年から1997年までは公認会計士試験の試験委員を、1998年から2000年までは金融監督庁(現金融庁)の顧問をそれぞれ務めた。Oracle EPM Summitでの講演は、同氏自身のキャリアにおける体験や近年の国際会計基準の動向などを振り返りながら、現在、管理会計に対する重要性が世界規模で高まっていることを力説する内容となった。

 金児氏はまず、経営や会計を考える際の前提として、物事をシンプルにとらえることが大事だと指摘した。「会社とは、コンプライアンスを守って利益を上げるもの。会社が徹底して利益を上げることに努めれば、従業員、株主、社会を幸せにすることができ、また、結果として、税収が増え、それが国家を成り立たせることにつながる」(同氏)

 同氏によると、利益を上げることで人を幸せにするという経営観は、日本古来の経理・財務の考え方の根幹にあるもので、信越化学における経営の基本にもなっていたという。同氏は、「7人の社長に叱られながら育った」と自身の体験を織り交ぜながら、信越化学では、在庫をかぎりなくゼロに近づけ、フル生産、フル販売を行うことを徹底的に追求する体制をとっていたことや、外国企業のM&A(合併・買収)を行う際には、買収先の経営陣や従業員1人1人に対して買収への理解を徹底して求める取り組みを欠かさなかったことなどを紹介した。

 「こうした経営に対する姿勢は現在、世界共通の経営・会計の考え方として広く認識されるものになった」と金児氏。そして昨今、財務会計に代わって管理会計が重視されるようになってきたことを挙げ、「管理会計は、英語で言うとマネジメント・アカウンティング。これは、会社は1社1社が異なる目標を持ち、異なる方法で利益を上げていくものであるから、そのマネジメントの進め方こそが重要だという発想だ。ファイナンスを重視するような財務会計の時代は終わり、マネジメントの意思決定を重視する管理会計の時代に入った」と強調した。

企業の評価基準となる、経営層の意思決定のありさま

 金児氏の主張は、国際会計基準の共通化/コンバージェンスといった近年のグローバル動向からも明らかであるという。国内の企業会計基準は、欧米などで採用されている国際会計基準に合わせて、財務諸表のセグメント情報を、これまでの事業の種類別、所在地別、海外売上高といった切り口での区分から、経営者が会社として利益を上げていく方法に沿った区分に変更することになっている。こうしたセグメント情報の開示のしかたをマネジメント・アプローチと呼ぶ。「経営層がいかに意思決定を行っていくかが企業の評価基準としても重視されるようになっている」(同氏)というわけだ。

 また同氏は、こうした開示においては、決算の情報から即座に経営判断を下す必要性が高まるとも指摘。「決算には、年次、四半期、月次、週次、日次、分次、秒次があるが、秒次ではまだ足りない。瞬時に経営判断を下すための瞬時決算が必要だ」と、金児氏が師事した故・小田切新太郎氏(信越化学元社長・会長)の言葉を紹介しながら、決算情報をタイムリーに開示する仕組みが求められていることも示唆した。

 金児氏は、今後の経理・財務の役割としては、「最後の砦として、会社の財産を守ること」を挙げた。同氏によると、経理の仕事は、会社全体の100分の2を占めるにすぎないという。というのも、「会社資産を最適化した場合、販売23、製造23、研究23、M&A23となり、残りは8となる。そこからさらに人事などをのぞいた2が経理の仕事になる」との考えがあるからだ。

 そのうえで同氏は、「経理・財務は、あくまで、販売・製造・研究・M&Aのバックアップ部門として、マネジメントを支える存在。予算を持って威張ったり、会社の財産を危うくするような行為を行ってはいけない。管理会計の時代だからこそ、会社の財産を守るのは経理しかいないということを肝に命じておきたい」と語り、講演を締めくくった。

(Computerworld.jp)

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