オラクルの次世代アプリ「Fusion Application」の開発がいよいよ大詰め
「核となる製品が近くリリース」との情報流出で今月開催のOpenWorldに注目集まる米国Oracleが3年半前に発表した次世代アプリケーション・スイート「Fusion Applocation」の開発プロジェクトがようやく実を結びつつあるようだ。
Oracleはこれまで、Fusion Applicationについて、「PeopleSoft」や「JD Edwards」「Siebel」「E-Business Suite」などのさまざまな製品ラインから最良の機能を集めたものになると説明していた。
しかし、これまでに発表されたのは、Fusion技術をベースにした数種類の顧客関係管理(CRM)関連アプリケーションのみだ。また2007年10月には、このプロジェクトの“かなめ”だったジョン・ウーキー(John Wookey)氏が同社を去ったため、大幅な方針転換を余儀なくされるとの見方も広がっていた。
ところが最近になって、核となる製品が遠からずリリースされるとの情報が流れてきた。
オラクル製アプリケーションのユーザー会である米国OAUG(Oracle Applications Users Group)のFusion Councilに参加するフロイド・テーター(Floyd Teter)氏は、ブログへの書き込みで「『Fusion Applications Version 1.0』として提供される予定の製品のプレビュー版を見た」と述べている。
テーター氏は、8月29日にOracleの本社を訪れ、このソフトウェアを見たという。「PowerPointのプレゼンテーションではなく、ほとんど動かないような試作品でもなく、本物のアプリケーションであり、トランザクション、データ入力、分析ツールでトランザクションの詳細なデータを調べるといった機能が実際に動くのを見た。Fusion Applicationは本物であり、『ベイパーウェア』『実体がない』『完成品とはほど遠い』といった指摘は的はずれだ」と同氏。
そのうえでテーター氏は、「現在のバージョンは、0.7あるいは0.8程度なのではないか。ただしこれは私の個人的な見解であり、Fusion開発チームの作業の進捗状況を正確に示しているわけではない」と述べている。
同氏は、従業員と分析ツール間のコラボレーションに力点を置いたWeb 2.0のような感じのソフトウェアというFusion Applicationの印象を明らかにしたうえで、「開発チームが、既存のアプリケーション製品ラインの中から最良の製品やプロセス、過去の教訓を盛り込む作業に多くの時間をかけたのは明らかだ」と述べた。
なおテーター氏は、Oracle本社で目にしたソフトウェアのリリース日などは分からないとしている。
一方、調査会社Forrester Researchのアナリスト、レイ・ワン(Ray Wang)氏は、Oracleが近々Fusionに含まれるアプリケーションを投入する可能性はあるものの、財務や人事、サプライチェーン管理(SCM)などの重要なモジュールをリリースするのは3〜5年先になるとの見通しを示している。
しかし同氏も、「アップデートされたデータ・モデル、改良されたユーザー・ツール、新たなユーザー・エクスペリエンス、ビジネス・プロセス、Webサービス対応機能などをサポートする中核的な機能の開発が大きく進んでいるのはまちがいない」との見方を示している。
今回Oracleにも、Fusion Applicationについてのコメントを求めたが、回答は得られなかった。しかし、同社のCEO、ラリー・エリソン(Larry Ellison)氏は、最近行った同社会計年度末の記者会見で「Fusionアプリケーションのスイートが投入されるのは、今年か来年、あるいは再来年になるのではないか」と語っていた。
また9月21日から米国サンフランシスコで開催される同社主催のコンファレンス「Oracle OpenWorld 2008」では、Fusion Application関連のセッションに加え、アプリケーションやミドルウェア部門担当の幹部による基調講演も予定されており、この製品に関するさらに詳しい情報が明らかにされる見通しだ。
(Chris Kanaracus/IDG News Serviceボストン支局)



























