SAP、GRC新スイートでIBMやオラクルを追撃
コンプライアンス・ソリューション「GRC 10.0」は過去3年で最大規模のリリースにSAPは3月23日、内部統制ソリューションである「SAP GRC」(ガバナンス、リスク・マネジメント、コンプライアンス)の新スイートを武器に、同市場での足場を固めていきたいと話した。新版の開発にはおよそ3年かかったという。
GRCソリューション担当グループ副社長を務めるジム・ダンハム(Jim Dunham)氏は、「同製品のほぼあらゆる部分を改良した」と述べている。
新リリースとなるGRC 10.0は、すべてのモジュールに一貫した外観と使用感が備わっており、エンベデッドBI(ビジネス・インテリジェンス)やグラフィカルなリスク・モデリング・ツールといったユーザー・フレンドリーな機能が搭載されている。
これまでのGRCに対する企業のアプローチは、4つの段階に分けることができた。最初の基本的な段階では、企業は手作業を伴うツールを用い、例えば財務部門が財務に関する問題を解決するように、部門ごとで問題を処理している。
次の第2段階になると、企業はコンプライアンス・プロセスを部分的に自動化するが、そうした活動はそれぞれ孤立しているとダンハム氏は説明した。第3段階においては、IT部門がさまざまなコンプライアンス・ツールを1つのプラットフォームに統合して効率の向上を図るとともに、企業がエグゼクティブらに「最高コンプライアンス責任者」の肩書きを与えるようになるという。
SAPの新たなGRC製品がターゲットとしているのは、最終的な4番目の段階である。GRCとBIを融合させて洞察力を深めることにより、最初の3段階の頂点に立つアプローチだとダンハム氏は話した。
リリース10.0はSAP製品以外のERPシステムや、NovellおよびIBMなどのID管理プラットフォームといった下位スタックにあるソフトウェアとも連係できる。
またSAPのパートナーが、同GRCスイートに対応した業界特化コンテンツの開発を始めている。これらはSAPの「Ecohub」を通じて入手可能とのことだ。
SAPはGRC市場で、OracleやIBM、EMCといった大手ベンダーばかりでなく、Agilianceをはじめとする比較的小規模な企業とも競合している。
Forrester Researchのアナリストであるクリス・マクリーン(Chris McClean)氏は、2010年末に発表したレポートに、ますます加熱する規制環境への対処に企業が戸惑う中、2011年のGRCソフトウェア売り上げは前年比20%増を達成し、7億4,900万ドルから8億9,900万ドルへ伸びるだろうと記していた。
もっとも、こうした成長はさらなるベンダーの市場参入を招き、結果的に選択肢が多くなって混乱が生じるとも同氏は指摘している。新しい規制が加わったり、規制内容が変わったりすることで、GRC市場の成熟が遅れる可能性もあるという。
(Chris Kanaracus/IDG News Serviceボストン支局)



























