IEEE 802.11nが9月に承認、正式な標準規格へ
Draft 2.0がそのまま標準化の見通し高速無線LAN規格「IEEE 802.11n」が今年9月にようやく承認される見通しだ。およそ7年にわたる論争と改良を経て、ようやく正式な標準になる。
主な無線LAN規格の策定作業に携わってきた802.11ワーキング・グループは、7月17日に投票を行い、802.11nのドラフト仕様であるDraft 2.0をIEEEの上級レベルに送り、最終的な審査を経て公開することを決定したという。
米国Trapeze Networksのチーフ・ストラテジストで、802.11ワーキング・グループのメンバーでもあるマシュー・ガスト(Matthew Gast)氏は、ブログ・エントリーの中で、反対票は1票だけだったと述べている。
ガスト氏によると、最終的な承認は、IEEEが策定するすべての標準を審査しているIEEE Standards Board Review Committeeが行うことになっており、次の会議は9月11日に開かれる予定だ。通常は、IEEEによる承認手続きの最終段階で大幅な変更や激しい議論が行われることはないとされている。
802.11nの歴史は7年前の2002年にまでさかのぼる。この年、IEEEの高スループット研究グループは高速無線通信技術の研究に着手し、その後、802.11n作業部会へと発展した。しかし、すでに独自の高速通信製品を出荷していた陣営がこの規格に強く反対し、2006年には最初のドラフト仕様が75%の賛成票を獲得できない事態に陥る。その結果、11n作業部会による標準化作業は一時停止を余儀なくされた。
一方、802.11製品の標準準拠と相互運用性の認証を行っているWi-Fi Allianceは、長引く11n標準化プロセスが完了するのをいつまでも待つことはできないとして、2006年、ドラフト仕様に基づく製品の認証を開始するという方針を打ち出した。その後Wi-Fi Allianceは、2007年に11n作業部会でDraft 2.0が75%の賛成票を獲得したのを受け、このドラフト仕様に基づく製品の認証を開始した。
こうした動きについては、標準化される前の仕様に基づいた製品が市場に投入され、ユーザーの間で混乱が生じる可能性があると懸念する声も出たが、これ以後、600種類を超える製品が「ドラフト11n」対応として承認を受けている。
ガスト氏によると、11n仕様が生まれるきっかけとなった高スループット研究グループの最初の会議が開かれたのは2002年9月11日だという。つまり、奇しくもそれから7年後の今年9月11日に開催されるIEEEの会議で、この標準が最終的に承認されることになるわけだ。
「ここで承認されればの話だが、802.11nの標準化作業には、まる7年かかったことになる」(ガスト氏)
ただしガスト氏は、IEEEがいつまでもその成果に安住していられる状況ではないと指摘する。というのも、2つのグループが、「802.11ac」と「802.11ad」と呼ばれる2種類の仕様を1Gbpsの無線LAN標準規格にしようと動き出しているからである。802.11adを推すグループは周波数60GHzの技術を研究しており、WiGig Allianceも、高速無線通信に対応できるとして、この技術を支持している。
(Stephen Lawson/IDG News Serviceサンフランシスコ支局)
























