トラブル発生のオハイオ州電子投票システム、原因は投票機ベンダーの管理ソフトと特定
プレミア・エレクションが自社ソフト「GEMS」の論理エラーを認める米国の大手電子投票システム・ベンダーであるPremier Election Solutions(旧社名:Diebold Election Systems)は先ごろ、今年3月にオハイオ州で行われた民主党の大統領予備選挙で発生した電子投票システムのトラブルについて、McAfeeのウイルス対策ソフトではなく、自社ソフトのエラーが原因であるとの見解を明らかにした。
3月の予備選挙では、電子投票機のメモリ・カードを集計サーバにアップロードする際、オハイオ州内の11の郡で票の集計漏れが発生した。このトラブルについてPremierは当初、McAfeeのウイルス対策ソフトが原因としていたが、先週になってこれを撤回。同社の投票管理ソフト「Global Election Management System(GEMS)」のソースコードに論理エラーがあり、これが原因であるとの見方を示した。
Premierの社長、デーブ・バード(Dave Byrd)氏は、オハイオ州の州務長官であるジェニファー・ブルンナー(Jennifer Brunner)氏への書簡の中で、「ウイルス対策ソフトがサーバにインストールされていなくても問題が発生したことから、原因はGEMSにあると考えられる。当社の以前の分析が誤っていたのは、きわめて遺憾だ」と述べている。
バード氏によると、選挙管理委員会などが何度もテストを行ったが、オハイオ州で問題が発生するまでこの論理エラーを特定することができなかったという。
Premierの広報担当者、クリス・リガル(Chris Riggall)氏も、ウイルス対策ソフトがエラーの引き金になった可能性は否定できないとしながらも、それが根本的な問題ではないこと認めている。「われわれがこれまでに行った分析は不完全だった」(リガル氏)
同社は併せて、GEMSが稼働する電子投票機での集計漏れの回避方法について説明した注意書を8月19日に公開した。それによると、メモリ・カードをアップデートする際には、集計サーバにすべてのカードが表示されていることを確認する必要がある。
リガル氏によると、Premierでは論理エラー対応の修正プログラムを開発し、現在テスト中だという。同社は、連邦政府にGEMSを提出して認証を受けており、このプロセスの一環として修正プログラムを提出する予定だ。しかし、11月の本選挙までに修正プログラムの認証を受けるのは難しいと見られている。
州務長官のブルンナー氏は、11月の本選挙に向け、州内の各郡と共同で対策を進めていると語った。Premierの電子投票機は、オハイオ州内にある44郡のおよそ半分で使われている。
「集計ミスの根本的な原因が特定された以上、Premierのソフトを使っている郡では、問題を特定し、修正するための厳格な手順を実行できるよう、指示書を準備する予定だ。今後も状況を注視するとともに、選挙を正常に実施して、票を正確に集計できるようにするための指示書を選挙管理委員会に配布する」(ブルンナー氏)
Premierからブルンナー氏に宛てた書簡は、同社とブルンナー氏のオフィスが訴状を取り交わした後に出された。
ブルンナー氏は8月初め、Premierが選挙管理委員会との契約を履行しておらず、保証条件への違反や不正行為もあったとして、同社をオハイオ州フランクリン郡の民事訴訟裁判所に提訴した。これは、オハイオ州との間で締結した契約や保証の条件に違反していないと主張するPremierの今年5月の訴えに対抗する訴訟である。いずれの訴状も、裁判所は受理するかどうかをまだ判断していない。
ブルンナー氏のオフィスは昨年12月、Premierなどが販売しているタッチスクリーン型電子投票機のセキュリティに問題があると指摘。この種のマシンを使わないよう勧告する報告書を提出した。これに対しPremierは、この報告書が不完全でバランスを欠いていると反論していた。
(Grant Gross/IDG News Serviceワシントン支局)
























