クラウドとサイバー・セキュリティが米国政府のIT支出を後押し
2014年まで年平均3.5%の伸び米国連邦政府のIT支出は、クラウド・コンピューティングやサイバー・セキュリティへの投資により、2009年の762億ドルから2014年には903億ドルへと増加するとの見通しを、米国のコンサルティング会社INPUTが明らかにした。
INPUTによると、連邦政府のクラウド・コンピューティングへの支出額は今後5年間で27%増えて10億ドルを超える見込み。またサイバー・セキュリティへの支出額は、2009年の82億ドルから2014年には122億ドルへと、年間8%以上で伸びるという。
こうした予測の背景には、連邦機関にクラウド・コンピューティングを積極的に取り入れようとするバラク・オバマ(Parack Obama)政権の方針がある。
「現政権は、将来的にはITへの支出を減らすことを目的に、クラウド・コンピューティング、医療IT、スマートグリッドの整備を進めている。われわれはこれを『節約のための投資』と呼んでいる」と、INPUTのアナリストであるデニース・ピーターソン(Deniece Peterson)氏は説明する。
オバマ政権にとってクラウド・コンピューティングは注目すべき成長分野に映っているようだ。連邦政府のIT支出は、民間企業に引けをとるどころか、民間企業と同程度の成長率になる、とピーターソン氏はみている。「連邦政府や州政府、地方政府は、電子メールやWeb会議、給与計算などのアプリケーションをクラウドに任せようとしている」(同氏)
一方、サイバー・セキュリティについては、政権内部や議員からの要望にこたえるかたちで支出を増やしている、というのが実情のようだ。ここ数年は、サイバー・セキュリティへの支出傾向が際立っている、とピーターソン氏は分析する。
「セキュリティ脅威が増し、そのボリュームも急激に増えたことから、これまでも多くのIT支出が行われている。(この状況が続けば)政府関連のIT市場が一般のIT市場よりもずっと速く成長すると断言できる」(ピーターソン氏)
とはいえ、INPUTによると、米国政府のセキュリティへの支出額はIT支出全体の10%に満たないという。
INPUTは今年、連邦政府のIT支出の見通しを下方修正した。昨年はCAGR(年平均成長率)で4.1%と見込んでいたが、今年になって今後5年間のCAGRを3.5%としている。それでも、IT企業の側にとっては、「受注の機会が残されている」という意味で、政府関連のIT予算は魅力的であろう。
ただし、受注企業は米国政府の補正予算に対する準備ができていなければならない、とピーターソン氏は言う。新政権の発足後は、すべての契約の透明性と会計責任を求める強い要望が議会や国防省から出されており、受注企業の側には要件と責任に関する詳細なリポートが必要になるからである。
「オバマ政権が課す新しい要件は、小規模な政府契約者に『大きなコスト強制』を強いる可能性がある」(ピーターソン氏)
(Grant Gross/IDG News Serviceワシントン支局)
























