ジョブズ氏亡き後のアップルが市場の先頭に立ち続けるのは困難――IHSアイサプライ
「ジョブズ氏のビジョンとスキルはアップルにとって代えが利かない」と指摘米国IHS iSuppliは10月24日、「スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏のビジョンと経営スキルを失った米国Appleは、競争優位の維持に苦労することになりそうだ」とする分析を発表した。
IHS iSuppliは、「今後、天才がどれほどその力をAppleに注ぎ込んだとしても、ジョブズ氏のひらめきは同社にとって今後も代えの利かないものであり続けるだろう」と述べている。
IHS iSuppliによると、ジョブズ氏の大きな強みは市場に対するフォーカスが明確なことだったという。同氏は、自身とAppleの目標を見定めると決してぶれなかった。また、戦いを仕掛け、批判を受け流すことも得意だった。
「Appleは、パーソナル・コンピュータ、アイコン/ポイント&クリック・インタフェース、パーソナル音楽プレーヤー、携帯電話を発明したわけではない。だが、これらの製品や技術の使い方を再発明することで、これらを新しいレベルに進化させた。これは、スティーブ・ジョブズ氏がビジョナリーとしての才能を発揮し、それらの市場と利用モデルの従来とは違うあり方を描いたおかげだ」と、IHSのコミュニケーション&コンシューマー・エレクトロニクス担当シニア・ディレクター、ボブ・ブラバーマン(Bob Braverman)氏は声明で述べた。
「Appleには、紛れもなく優秀な人々がいる。しかし、ジョブズ氏が行ってきたように、社会や人々の行動を変えることをビジョンとして構想し、それを実現できる人がいるかどうかは疑問だ」と同氏は続けた。
IHS iSuppliによると、Appleにとってジョブズ氏の最大の遺産は、同氏が浸透させこれまでの成功の土台となった企業文化だという。
「ジョブズ氏は、トーマス・エジソン(Thomas Edison)やヘンリー・フォード(Henry Ford)になぞらえられてきた。これらの人々は自らのビジョンを実現し、遺産を残した。彼らが確立した仕組みや制度は、その死後も存続していった。問題は、ヘンリー・フォードの死後もFord Motorが発展したように、Appleが今後も成功を継続できるほど、ジョブズ氏から十分学んでいるかどうかだ」と、IHSのエレクトロニクス・マーケット・インテリジェンス担当上級副社長、デール・フォード(Dale Ford)氏は声明で指摘した。
一方、ジョブズ氏は、完全な準備が整うまで、商品をリリースしてはならないという考えも持っていた。AppleだけでなくPixarでも、こうした考えに基づくやり方が行われていた。
「ジョブズ氏の大きな方針の1つは、ある特定の日に商品を発売しなければならないという考えに縛られないようにする、というものだった。同氏はいつも、商品を売り出す前に、市場のメインストリームにアピールできるように商品の準備を整えていた。ジョブズ氏はもうPixarの経営はしていなかったが、同社の人々は公開できる時が来たと確信できるまで作品をリリースしないという原則を守ってきた」(フォード氏)
だが、IHS iSuppliは、Appleが長期にわたってライバルをリードし続けることができるかどうかには大いに疑問があるとしている。「現在のApple製品が、20年後に世界にインパクトを与える製品のベースになるとは考えにくい」と、IHSのコミュニケーション&コンシューマー・エレクトロニクス担当主席アナリスト、ジャグディシュ・レベロ(Jagdish Rebello)氏は声明で述べている。
(Ben Camm-Jones/Macworld英国版)



























