IBMら7社、High-k/Metal Gate技術採用の32nmプロセス・チップを発表
45nmプロセスに比べ最高30%の性能アップ/50%の消費電力削減を実現米国IBMを含む7社は4月14日、チップの電流漏れを低く抑えることができる「High-k/Metal Gate(HKMG)」技術を使った32nm(ナノメートル)プロセス・チップの作製に成功したと発表した。45nmプロセス・チップを使った場合に比べ、32nmプロセス・チップを使ったCPUはプロセッサ性能が向上し、消費電力量も低減するという。
同チップはIBMの開発パートナーである、シンガポールChartered Semiconductor、米国Freescale Semiconductor、ドイツのInfineon Technologies、韓国のSamsung Electronics、スイスのSTMicroelectronics、日本の東芝などの半導体メーカーとIBMが共同で開発した。
米国Intelは昨年、すでにHKMG技術を使ったチップの製造を開始しているが、こちらは45nmプロセスを採用している。Intelのライバルである米国AMDは、同技術を採用したチップを製造していない。
IBMのマイクロエレクトロニクス部門シニア・マネジャー、ムケシュ・カーレ(Mukesh Khare)氏によると、HKMG技術を使った32nmプロセス・チップのCPUは、最高30%の性能アップ、最高50%の消費電力量の削減を実現できるという。このベンチマークは、同じ電圧を用いて45nmプロセス・チップを利用した場合の数字と比較したものだ。
例えば、45nmプロセス・チップを1.1ボルトの電圧で動作させる場合と比べ、HKMG技術を用いた32nmプロセス・チップを同じ電圧で動作させた場合には、スピードは24%向上、消費電力量は40%削減される。電圧を0.95ボルトに下げた場合には、プロセッサのスピードは18%アップ、消費電力量は45%削減されるという。
IBMは、HKMG技術を使ったCPUの設計方法などを解説する評価キットの出荷も開始した。同社は、2009年後半に開始予定の32nmプロセス・チップの大量生産に、同技術を採用する可能性もあるとしている。
IBMをはじめとするCPU製造ベンダーは、コンピュータ機器の省電力化と性能向上を図るため、チップの製造技術を常に進化させている。
IBMは先月、日立製作所と提携し、CPUのプロセスを32nm〜22nmに縮小することを目指した共同研究を行うことを発表した(関連記事)。また「シリコン・ナノフォトニクス」と呼ばれるCPUコア間のデータ伝送速度を高速化する新技術も開発中だ(関連記事)。同技術は従来の配線の一部を極細の光ファイバーに代え、光パルスでデータを転送するというもので、転送スピードおよび電力効率が向上するという。同社はさらに、米国の大学と共同で、従来のトランジスタと比べ高性能な小型トランジスタ「カーボン・ナノチューブ」の製造にも取り組んでいる。
半導体製造技術の発展を目指すIBMは、HKMG技術を採用したことで、さらに一歩前進したと言えるだろう。
(Agam Shah/IDG News Serviceサンフランシスコ支局)
























