中国政府高官、IBMの「Smarter Planet」に警告
市全域を覆う分析用センサ・ネットワークが国家安全保障を脅かすとして中国の政府高官は先ごろ、米国IBMが掲げるビジョン「Smarter Planet」に対して警告を行った。データを収集/分析するために、中国でセンサ・ネットワークなどのテクノロジーを利用することに対する警告だ。
Smarter Planetとは、地球やビジネスを取り巻く環境をより賢いものとすることで、さまざまな社会的問題を解決していこうという取り組みである。同プロジェクトには中国の北東部にある「Green city lab」も含まれている。
中国工業情報相である李毅中(Li Yizhong)氏は、同省庁のWebサイトにおいて、「Green city labは、先進国が掲げる再工業化(Reindustrialization)や低炭素経済(low-carbon economy)などといったコンセプトと同様、中国に制約を与えかねない」と懸念を表明している。
「国外から持ち込まれたこうした新たな概念や戦略について、われわれは見識を広げ、戦略的な先端産業を精力的に振興させていく必要がある。だが同時に、警戒を怠ってはならない。誰の支配下にも陥ってはならない」(李氏)
なお、同発言は4月半ばとされているが、中国国外では報道されていなかったようだ。ちなみにIBMの広報担当者は、発言の背景が不明だとしてコメントを控えている。
IBMは2009年、遼寧省にある瀋陽市とコンピュータの技術利用において協働すると語っていた。協働の目的としては、効率的な交通計画の策定や、工業分野における二酸化炭素排出の上限を考案することなどが想定されていた。
またIBMは、市の主要農地の水質について追跡調査を行うために、センサを設置する場所を選定する予定だった。同社は、中国において、瀋陽市以外の地方政府とも、同様の協働作業に乗り出すことを話し合っていたという。
中国の場合、国家安全保障への懸念が生じると、中国当局から資料を入手することが困難になることが多い。それが単なる地図であったとしても、入手は難しくなる。その結果、中国のどの地方、あるいはどの工業でデータの収集/分析を行おうとしても、前途を阻まれる可能性が出てくる。
李氏は「(米国は)情報ネットワーク技術を利用して、あらゆるものをコントロールしようとする。小規模なものでは、1台のコンピュータ、あるいは1台の発電機だが、大規模になると、工業全体、さらには他国の経済までをもコントロールしようとする」と不快感をあらわにしている。
(Owen Fletcher/IDG News Service北京支局)



























