計算ナレッジ・エンジン「WolframAlpha」サービスが正式スタート
検索の新地平を開くか――回答候補リストではなく、ズバリの回答を表示オンライン検索の新たな地平を開く――。こんな触れ込みで話題を呼んでいた新サービス「WolframAlpha」が、5月18日に正式スタートした。
WolframAlphaを運営する米国Wolfram Researchは、新サービスを「検索エンジン」と呼ばれることを望まず、「計算ナレッジ・エンジン」と呼んでいる。
WolframAlphaは事実や統計を調べられる「ファクト(事実)エンジン」のようなもので、統計、事実、数字の提供に的を絞ったサービスだ。
例えば同サービスでは、「デンバー・オムレツには何が入っているか」 「ハッブル宇宙望遠鏡は何年使われているか」 「RFID技術の定義は何か」といった質問の答えは得られない(こうした質問に対する答えは、Google検索を使えば簡単に見つかる)。
Wolfram Researchの共同創設者、シオドー・グレイ(Theodore Gray)氏は、「WolframAlphaは単なるデータベースではない」と主張したうえで、以下のように語った。
「WolframAlphaは、ユーザーの代わりに計算を行うものだ。検索エンジンの場合はすでに存在するもののインデックスを作成して検索の対象としている。これに対してWolframAlphaは、ユーザーのために新しい情報を作り出す。ユーザーの質問に対する答えを提供する“新しいWebページ”を作成するわけだ」
つまり、WolframAlphaはユーザーの検索要求に応じてWebページのリストを提供するのではなく、ユーザーのために答えを計算するサービスである。ちなみにWolfram Researchは、数学、工学、科学の分野で広く普及しているアプリケーション「Mathematica」の開発元である。
WolframAlphaは、このMathematicaのエンジンと巨大なデータベースを使用している。グレイ氏によると、このデータベースは、数千兆のデータ・ポイントを持つという。同氏はこのデータベース上のデータについて、「かつてない大規模、かつ多様なデータ・コレクションとなっている」と説明している。
実際、WolframAlphaは科学技術に関する膨大な情報を持っており、気象や自動車など、さまざまな分野の情報を網羅し、データベースを拡張しているという。
米国Gabriel Consulting Groupの主席アナリスト、ダン・オルズ(Dan Olds)氏は、「ユーザーに答えの候補群を提供するだけではなく、インターネットから直接答えを得るという試みはいくつか存在するが、WolframAlphaはその中でも最も高度なサービスだ」と指摘している。
「彼らのサービスは非常に厳密だ。彼らが成功すれば、多くの人のインターネットの使い方が変わるだろう」(オルズ氏)
しかし、オルズ氏は、答えがどのように導き出されるのか、導き出された答えが本当に正しいのかどうかが気がかりだとも語った。
「答えが提供される過程がわからないという点で、WolframAlphaはブラックボックスだ。Google検索のように答えのありかの候補が返されるわけではない。われわれはインターネットでの経験から、1つの問題にたくさんの答えが見つかり、どれももっともらしく思える場合があるということを知っている。そうした場合、それぞれを調べて評価し、どの答えを使うかを判断することが可能だ。しかし、WolframAlphaではそのようなことはできない」(オルズ氏)
同氏は、「WolframAlphaではサービスへの信頼が、(ユーザーが)答えを受け入れる前提になるだろう。WolframAlphaは一部のソース・データを提供しており、複数ソースを複合的に分析して答えの妥当性を判断しているようだ。WolframAlphaは信頼向上につながる措置を講じる必要がある」と指摘している。
(Sharon Gaudin/Computerworld米国版)
























