モーフィング型のWebサイトは売上げアップに貢献――実験では20%増|ポータル/検索サイト|トピックス|Computerworld

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【MIT調査】

モーフィング型のWebサイトは売上げアップに貢献――実験では20%増

ビジターの嗜好をクリックの傾向から判断し、サイトを自動的にカスタマイズ
(2008年05月27日)

 ビジターごとにWebサイトを自動的にカスタマイズし、そのサイトのアピール度を高めたりいらいら感を減らしたりすれば、オンライン・ビジネスの売上げを20%近く増やすことができる――。こんな調査リポートを、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)が発表した。

 今月のMarketing Science誌に掲載される論文『Website Morphing』を執筆した4人のMIT研究員らは、ビジターごとに表示方法を調整し、そのビジターが情報を吸収しやすいスタイルで表示するサイトをモーフィング型として分類している。

 ビジターの認知スタイルに応じて、音声とグラフィックスを利用して情報を表示することもあれば、文字だけで表示することもあるというのが、モーフィング・サイトの大きな特徴だ。ビジターがどの認知スタイルに属するかは、そのビジターがサイト上のページをどのようにクリックしていくかを把握することで判断する。

 「ビジターによる5〜10回のクリックにより、そのビジターの認知スタイルがかなりの程度まで把握できる」と、同論文の執筆責任者であるジョン・ハウザー(John Hauser)氏は説明する。同氏が言うには、この10年で統計が大きく進化したことで、少ないデータからでも広範な結論を導き出せるようになったそうだ。

 「他の回答者のデータを借用することで、少量のデータから多くのことを推測できるようになった。最初に聞いたときは絶対に無理だと思っていた」(Hauser氏)

 現在では、サイトのどこがクリックされたかを知ることで、そのビジターの嗜好をある程度まで把握できるという。潜在顧客がサイトにアクセスしてきたら、モーフィング・エンジンを使ってビジターの嗜好を具体的に見極め、どのページが最も売上げにつながるかを突き止めればよいと、Hauser氏は論文に記している。

 ビジター側でカスタマイズする必要があるサイトは、あまりに時間がかかるため敬遠されがちだが、自動的にカスタマイズしてくれるWebサイトにはそうした煩わしさがない。しかも、はるかに短期間で売上げを最大限高められると、Hauser氏は力説する。

 この理論を実証するため、MITの研究チームは、現在ブロードバンドを利用している英国のユーザー835人に加え、ブロードバンドに関心のあるユーザーにも協力費を払い、質問シートに記入してもらうとともに、英国の通信大手BTのサンプル・サイトをナビゲートさせ、ブロードバンド・サービスの売上げにどう影響するかを調査した。

 その結果、もし各ビジターの認知スタイルを完全に把握できれば、売上げが21%増加するという結論が得られた。また、認知スタイルが一部わかるだけでも、売上げを20%近く増やせるという。

 「稼働中のWebサイトにモーフィングを適用するだけで、BTはオンラインによるブロードバンド・サービスの売上げを8,000万ドルも増やせることになる」(同論文)

 モーフィングは、ビジターの認知スタイルに合わせて、サイト内のコンテンツだけでなくルック&フィールも変える。例えば、ビジターに合わせた形で写真と文字のバランスを調節することもある。

 BTサイトを使った実験では、4通りの認知スタイルにそれぞれ2つのオプションを付け、ビジターの認知スタイルを評価した。認知スタイルの定義とは、そのビジターが活字派か音声派か、衝動型か熟慮型か、視覚派か口頭派か、リーダー型か後追い型かという8種類だ。

 認知スタイルの評価で基準にしたのは、ビジターのクリック・ストリーム・データだ。ビジターはサイトにアクセスすると、「プランを比較する」「バーチャル・アドバイザーを使う」「ラーニング・センターに行く」「ユーザー・コミュニティに行く」という4つのオプションからどれか1つを選ぶのである。

 「例えば10回というように、一定回数クリックされた時点で、そのビジターがどの認知スタイルに該当するかを類推し、それに基づいてWebサイトをモーフィングした。ビジターには、ブロードバンド・サービスを購入するか、購入せずにそのWebサイトを終了するまで自由にクリックしてもらった」(同論文)

 その後、ビジターに対して、「図と写真/文字と音声」「表示する情報量の多い/少ない」「オプションを絞った集約型コンテンツ/全オプションを表示する一般的コンテンツ」という3つの点でそれぞれ異なるWebサイトを提示した。

 「全般型」に分類されたビジターにはBTの一般情報を表示するバージョン、また「解析型」のビジターには情報を操作するための解析ツールを与えた。「後追い型」には別のコンシューマーのコメントへのリンク、また「熟慮型」のビジターにはコメントを投稿するページへのリンクを与えたという。

 BTの調査は、学習型のグループに一般的なトレンドを導いた。活字派と口頭派は集約型のコンテンツを好み、衝動型は少ないデータ、また解析型のビジターは一般的な情報を得るよりも意見を比較することを好んだ。

 Hauser氏は、このメソッドを日本の銀行のWebサイトに適用したという。同氏のチームは、サイトを単に認知スタイルに適応させるのではなく、ビジターのクリック・パターンから文化的な嗜好を把握し、それに応じて情報を文語体または口語体で表示するようモーフィングしたそうだ。

(Tim Greene/Network World米国版)

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