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セールスフォース、無料版「Chatter」を発表

Facebook風のソーシャル・アプリケーションへ任意の第三者を招待できるように
(2010年12月08日)

 Salesforce.comは12月7日、同社のソーシャル・コラボレーション・ソフトウェアの1バージョンとなる「Chatter Free」を発表した。「Facebook」と同様の「招待」機能を備えており、ユーザーはSalesforce.comの顧客でない人物にも声をかけてChatterを使えるようにすることができる。

 Chatterには、ユーザー・プロフィールやリアルタイムでの情報発信、ステータス・アップデートやファイル共有といった、ソーシャル・ネットワーキングではおなじみの機能が搭載されている。Chatterへの招待を承認した場合、同ユーザーはChatter Freeのライセンスを付与されることになる。

 ユーザーが企業データを「追跡」したり、カスタム・オブジェクトを使ったりできるChatter Plusなどの他バージョンに比べ、Chatter Freeには一定の制限が設けられている。Chatter Freeユーザーが無償版を利用する中で、もっと機能がほしいと考えるようになり、アップグレードを決めることをSalesforce.comは望んでいる。

 Salesforce.comによれば、Chatterが一般リリースされた2010年前半以降、同社の約8万7,000人におよぶ顧客のうちおよそ6万人が同ソフトウェアを利用しているという。もっとも、そうした普及がどの程度まで明白であるかはわかっていない。

 しかし、Salesforce.comの最高経営責任者(CEO)であるマーク・ベニオフ(Marc Benioff)氏は、Chatter Freeの招待機能が「Chatterを広く企業に行き渡らせるだろう」と声明に記している。

 Beagle Researchのマネージング・プリンシパル、デニス・ポンブリアント(Denis Pombriant)氏も、アナリストの観点から見てChatterはIT業界に大きな影響を与えたと話す。

 同氏は、「Salesforce.comはまず最初に、コラボレーション技術の新たなニッチ市場を創造もしくは特定した。次に、クラウド・コンピューティング・モデルおよび同社の『Force.com』プラットフォームが頑強であることをあらためて示した。そして最後に、ソーシャル・メディアを完全に自分のものにした」とブログに書いた。

 「Chatterは、ほかのソーシャル・メディアがはまりがちな落とし穴の大半をうまく回避している。雇用の1条件として同ソフトウェアを使用すると考えられる人々をターゲットにしていることが、Chatterを成功に導いた要因の1つだろう。同社のやり方は、わたしがこれまで見てきたところではうまくいっているようだ。結果的に、企業内でのソーシャル技術の有効性が実証されたのである。これまでのソーシャル・メディアには成し遂げられなかったことだ」(ポンブリアント氏)

 ベニオフ氏は、7日にサンフランシスコで開催された「Dreamforce」コンファレンスの基調講演において、Salesforce.comはこれからもChatterの新しいバージョンをリリースしていくつもりだと語った。同講演はWebキャスト放送もされている。

 Salesforce.comは2011年2月にだれもが無料で使用できる「Chatter.com」を立ち上げる予定。Chatter.comユーザーがChatter Freeを試し、いずれはアップグレードしてくれればうれしいとベニオフ氏は話している。

 コンファレンスの参加者は、ベニオフ氏が語る内容を具現化したような、大規模なChatter使用のケース・スタディが現れることを期待していた。そんな彼らの望みがかない、Salesforce.comの密接なパートナーであり顧客でもあるDellの事例が紹介された。

 Dellのビジネス情報組織副社長を務めるジョン・マイルズ氏がベニオフ氏とともにステージに上がり、同社は2010年7月から約3万人の営業スタッフにChatterを使わせていると説明した。

 ChatterはDell経営陣の強い支持を獲得しており、これがきわめて重要な要素だったとマイルズ氏は言う。10月にはユーザー層を拡大し、今では10万人を超える世界中の社員が対象となっているそうだ。

 マイルズ氏は、DellがChatterから得る価値は日々大きくなっていると述べる。Chatter導入以前も社員たちは取引先について話し合っていたが、そうした議論は基本的に営業の視点から交わされたものだった。だが現在は、顧客をあらゆる面からサポートする立場に立ったものに変わっているという。

 Dellは単純にChatterへの乗り換えを行ったわけではない。導入を確かなものにするため、「経営陣と協力してしっかりしたトレーニング・プログラムを」注意深く実施したと、マイルズ氏は話している。

(Chris Kanaracus/IDG News Serviceボストン支局)

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