オラクル、「EBS」ユーザーのR12へのアップグレード促進が依然として課題
「Oracle Fusion Applications」のリリースを目前に粘り強く説得?米国Oracleは、「Oracle Fusion Applications」を鳴り物入りで市場に投入しようとしている。だが当面は、「Oracle E-Business Suite(EBS)」の旧リリースのユーザーにアップグレードを説得する作業を粘り強く地道に続けなければならない状況にあるようだ。
「私が皆さんの立場なら、アップグレード計画を作成しているだろう」。Oracleのアプリケーション開発担当シニア・バイスプレジデント、クリフ・ゴッドウィン(Cliff Godwin)氏は6月10日、マサチューセッツ州ウースターで開催された「New England Oracle Applications User Group」のコンファレンスで行った基調講演の中でそう語った。
ゴッドウィン氏は、EBSの現行リリースである「EBS Release 12.1」のさまざまな機能や強化点をアピールした。EBS R12.1は製造、倉庫管理、国際税務、パッチ管理自動化、モバイル統合といった分野をカバーしている。
「EBS R11.5.10」のPremier Supportが11月に終了するため、このリリースを使い続けるユーザーは、本来なら追加メンテナンス料を支払ってExtended Supportを受けなければならなくなる。だが、Oracleは昨年、景気低迷を理由に、R11.5.10を含む多くの製品のExtended Supportの料金を1年間無料にすると発表している。
いずれにしても、これまでのところ、R12にアップグレードしたEBSユーザーはごく少数にとどまるようだ。米国の調査会社Altimeter Groupで同社のパートナーであるレイ・ワン(Ray Wang)氏は、「EBSを導入した顧客の中でR12またはR12.1ユーザーの割合は5%程度と推計している」と語っている。
「人々はどんな製品でも、最初のリリースを使うことには消極的だ。R12は2007年初めにリリースされ、R12.1は2009年5月に登場した。12.1が出て初めて(R12への)導入が進み始めた。また、不景気に加え、R11.5が安定していることも、導入が遅れている大きな理由だろう」(ワン氏)
実際、今回のコンファレンスでOracleのシステム・インテグレーターであるUSJadeが行ったR12のアップグレードに関するセッションで、司会者が100人程度の出席者に対し、R12のアップグレード・プロジェクトを進めている場合は挙手してほしいと求めたところ、だれも挙手しなかったという。
しかし、1人の出席者で米国メーカー勤務のOracle担当ビジネス・アナリストは、匿名を条件に以下のように語った。
「現在、自社ではアップグレード計画を立てているところだ。既存システムは非常に安定しているが、力不足になりつつある。ユーザーから、R12で得られそうな高度な機能が要望されている」
(Chris Kanaracus/IDG News Serviceボストン支局)



























