Web 2.0の台頭で、対応を迫られるネットワーク管理者
頭痛のタネは「トラフィックの増加」と「新種ツールの導入」ラスベガスで開催中の「Interop Las Vegas 2007」(5月20〜25日)では、Web 2.0が企業に及ぼす影響について、活発な議論が交わされた。
ITベンダーや企業ユーザーの幹部は、“Web 2.0の波”が企業に押し寄せていることを実感しているようだ。Interop Las Vegas 2007に出展したITベンダーの幹部らは、「Web 2.0技術を活用するために、今後は新種のコラボレーション・ツールを導入することになるだろう。そうなれば企業のネットワーク管理者は、急増するトラフィックの対応に追われることになる」と語る。
しかし同時に、パネル・ディスカッションの聴衆からは、「Web 2.0技術の代表とも言えるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の職場での役割や企業利益への貢献度は、現段階では未知数だ」との声も上がった。
米国シスコシステムズの会長兼CEO、ジョン・チェンバーズ氏は5月22日の基調講演で、「ブログやIM(インスタント・メッセージング)、Webビデオなどの新種のコラボレーション・ツールは、企業のIT部門があまり関与することなく従業員に利用されている。(この現状を食い止めるためにも)IT部門はリーダーシップを発揮すべきだ」と指摘した。
一方、Web 2.0技術を全社的に導入し、一定の成果を収めている企業もある。
「われわれは2000年からWeb 2.0技術を積極的に活用している」と語るのは、米国ボーイングでLabNetネットワークを担当するデーブ・マンサー氏である。
ボーイングはLabNetを利用して大規模な社内ITシステム/ネットワークを構築しており、世界に約700カ所ある同社の研究所をリアルタイムで結んでいる。研究所のエンジニアたちはVoIP、IM、Webビデオ、デジタル・ホワイトボードなどのツールを利用し、遠隔地の研究所にいるエンジニアたちと共同でプロジェクトを行っている。
マンサー氏は現在の課題として、「ユーザーがストレスを感じることなくリアルタイムで音声、動画、データのやり取りをできるようにすること」を挙げ、そのためには、ネットワークをチューニングし、遅延を低減させなければならないと指摘した。
マンサー氏によると、遅延を低減させる1つの方法は、“余裕のあるネットワーク構築”だという。なおボーイングのLabNetは、どの回線も使用率が50%を超えないように設計されているとのことだ。
また、化学大手の米国デュポンでは、Web 2.0技術が企業の生産性に与える効果について、ネットワーク部門が主体となって検証を行っているという。
さらにWeb 2.0技術の活用が、生産性向上に直結したという企業もある。
金融サービスの米国T.ロー・プライスは、情報共有のプラットフォームとして、企業向けWikiソフトウェアの「Confluence」を利用している。同社のイノベーション担当副社長のカーク・ネス氏によると、Confluenceを採用したことで、24時間もかかっていたコンテンツの更新時間が、30分に短縮できたという。
ただし、ネス氏も「Web 2.0技術が企業のネットワークに与える影響は非常に大きく、その影響は現時点では未知数だ」と指摘する。
「ファイアウォールを超えて情報をやり取りするマッシュアップ・アプリケーションなどを利用する場合には、セキュリティの観点から十分に検討する必要がある」(ネス氏)
(フィル・ホッホムート/Network World オンライン米国版)
























