みずほ銀行が語る、Linux搭載メインフレームによる基幹システム統合の“実際”
「次のフェーズでカギとなるのはLinuxと仮想化技術」5月28日〜30日の3日間、東京ビッグサイトでLinux/OSS関連コンファレンス「LinuxWorld Expo/Tokyo 2008」が開催された(主催:IDGジャパン)。最終日となる30日の基調講演では、Linux搭載メインフレームを中心とする基幹系システム統合プロジェクトを完遂したみずほ銀行の事例が、同行によって紹介された。
エンタープライズLinuxの次なるステージ
1998年に第1回目が開催されたLinuxWorld Expo/Tokyoは、今年で10年という節目を迎えた。この10年でLinuxがもたらしたイノベーションは、仮想化をはじめとする技術の新潮流とともに、さらに次のステージへ進みつつある。その一例が、30日の基調講演で紹介された、みずほ銀行における大規模システム統合・更改プロジェクトだ。
同社は100台を超えるサーバ・マシンを2台のLinux搭載メインフレームを中心としたシステムへ移行し、TCO(総所有コスト)の削減を達成した。しかも、システム統合後、安定した稼働を実現しているという。
従来のシステムからLinuxシステムへ移行する際に注意すべき点とは何か。銀行の基幹システムのようなハイ・ミッション・クリティカルなシステムの統合をLinuxで行うというチャレンジを後押しした動機とは何だったのか――。来場者は、登壇したみずほ銀行 IT・システム統括部 次長、加藤昌彦氏の説明に熱心に耳を傾けた。
みずほ銀行は、これまで3行経営統合に伴うシステム統合を実施してきた。IT部門は実に4年以上の間、システム統合作業に専念してきたことになる。同社はこうした取り組みを通じて最新の技術動向調査を実施、その過程で今後のキーポイントが「サーバ集約」「ストレージ統合」「リソースのオンデマンド活用」「Linux採用」にあるという結論に至ったという。
プロジェクトの検討当初、LinuxというOSプラットフォームには、コスト削減やベンダー非依存の実現、既存アプリケーションの継続採用、スキル蓄積といった期待はできるものの、はたして銀行システムとしてのロバスト性(Robust:頑健さ、堅牢性)要求を実現できるのか、また、特定のベンダーによる一貫したサポートが得られないのではないか、といった不安も数多くあったという。
カーネル2.6の成熟を機に、Linuxの採用を決断
同行は最終的に、Linuxのカーネル2.6が実用化された段階で、システム更改時に採用を検討するOSの候補にLinuxを加えることとなった。加藤氏は、「カーネル2.4は、ミッション・クリティカルな用途には採用できないとの判断があり、2.6が実用化された段階で、検討が始まった」と当時を振り返った。
そして、同行はシステム更改時に、ベンダーや開発パートナーへTCO削減案を依頼し、合計12の提案を検討した結果、日本IBMによる、チャネル系システムのサーバ統合プロジェクトの採用に至った。
プロジェクトの概要は、インターネット・バンキング、電話バンキング、マルチペイメント、周辺ゲートウェイ、マルチメディア・キオスク、ナンバーズ、MICCの7システムを、Linuxが稼働するIBM製メインフレーム「IBM System z」に統合しようというもの。最終的には、AIXベースの「IBM System p」も織り交ぜたシステムとして実現されている。「本来はSystem zとLinuxで統一したかったが、必要なアプリケーションがLinuxに対応していなかったため、AIXも併用することになった」(加藤氏)
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