クローズドソース・モジュールは“有害”――Linuxカーネル開発者たちが抗議声明を発表
「Linuxのイメージが悪くなる」――135人以上が声明に署名135人を超えるLinuxカーネルの開発者たちが6月23日、Linuxカーネル用のクローズドソース・コード・モジュールの開発ベンダーに対して抗議声明を発表した。
開発者たちは、こうした独自モジュール開発が「有害であり、望ましいものではない」と非難しており、今回の抗議声明についてもあくまで自分たちのために行ったもので、雇用主とは一切関係ない点を強調している。
独自カーネル・モジュールの問題は以前から指摘されていたが、最近になって再び注目が集まっている。
Linuxの普及を目指す業界団体Linux FoundationのWebサイトに掲載された文書には、「昨年来、クローズドソース・コード・モジュールについてLinuxカーネル開発者がどのように感じているのかと、意見を求める問い合わせが企業から頻繁に寄せられるようになった。今回の抗議声明は、この問題に対する大多数の開発者の見解を明確にしたものである」と書かれている。
クローズドソース・モジュールを使っているユーザーや企業は、Linuxコミュニティではなく開発元にサポートを求めなければならないうえに、「多くのモジュールで安定性の問題が指摘されているため、Linuxのイメージがきわめて悪くなる可能性がある」という。
抗議声明に署名した開発者たちは、クローズドソース・モジュールはカーネル・レビュー・プロセスを通じて最適化されるため、ベンダー側は開発したモジュールをオープンソースにするべきだと主張している。
例えば、Linuxカーネルの開発者グループであるLinux Driver Porjectグループでは、カーネル・レビュー・プロセスのために無料でドライバを開発してベンダーを支援しているという。
またLinux Foundationも、オープンソースである本来のLinuxモデルの下でデバイス・ドライバを開発することのメリットを列挙した文書を掲載している。
一方、米国Redmonkのアナリスト、ステファン・オグラディ(Stephen O'Grady)氏は、抗議声明がどの程度の影響力を持っているかわからないと話す。「この声明を無視することはできないし、多くの技術者がこの問題に関心を寄せていることは事実だが、ベンダーの意思決定に大きな影響を与える可能性は少ないのではないか」(同氏)
そのうえでO'Grady氏は、「開発者たちが、今こそメッセージを発する最高のタイミングだと判断した事実のほうが興味深い。最近、一部のベンダー(最も顕著なのはIntel)がオープンソース・ドライバを数多く開発していることも影響しているのだろう」と語った。
また、Linux Foundation技術諮問委員会の委員長で、今回の抗議声明にも署名しているジェームズ・ボトムリー(James Bottomley)氏は、「多くの企業がLinuxの開発(とりわけモバイル分野)に関与し始めており、オープンソース・アプローチの選択肢が示されないまま、クローズドソース・モデルにユーザーが縛られてしまうのではないかと懸念している」と語った。
(Chris Kanaracus/IDG News Serviceボストン支局)



























