「Chrome OS」がLinux業界に与える影響――6人の専門家に聞く
Linuxの新たな原動力となりうるのかLinuxベースのネットブック向けOS「Google Chrome OS」に対し、Linux業界は複雑な反応を示している。はたして、Chrome OSは今度こそLinuxをメイン・ストリームへと押し上げるのか。それとも多くのディストリビューションがひしめくLinux業界をさらなる分裂へと導くのか。Linuxおよびネットブック業界に詳しい6人の専門家に見解を聞いた。
Linux情報サイトDistroWatch.comによると、現時点で存在するLinuxディストリビューションの数は優に300を超えている。Windows 7の6つのエディションですら「多すぎる」と批判されるご時世にあって、300を超えるというのは「途方に暮れるほど多い選択肢」(DistroWatch.com)である。
もちろん、Chrome OSのオープンソースが公開されれば、また1つLinuxディストリビューションがそこに加わることになる。DistroWatch.comが「Linuxの新規ユーザーを混乱させる」と心配するのも無理からぬ話だ。
そこでComputerworld米国版では、Chrome OSがLinux業界に与える影響について、Linuxおよびネットブック業界に詳しい6人の専門家に話を聞くことにした。彼らに投げかけた質問は以下のとおりである。
「Chrome OSは、Linuxにさらなる分裂をもたらし、また他のプレーヤーの影を薄くする存在になるのか。あるいは、Linux業界に知名度と技術力を与え、今度こそフリーOSをメイン・ストリームへと押し上げるのか。あるいはその両方か」
以下、6人の見解を順に紹介する。
J. Gold Associatesのアナリスト、ジャック・ゴールド(Jack Gold)氏:
(統一された)Linuxなどというものは存在しない。したがって、Chrome OSによりLinuxの分裂が大きく助長されるということもありえない。Linuxは、これまでも、常にそのような存在であり続けてきたのだから。
Chrome OSによってネットブックの環境は今よりも複雑になるだろう。AjaxやJavaScriptで書かれたアプリケーション向けのドライバが数多く必要とされるはずだ。そうしたアプリケーションを望んでいるのは、ほかならぬGoogle自身なのだ。
ABI Researchのアナリスト、ジェフ・オール(Jeff Orr)氏:
Chrome OSによって(Linuxの)分裂とセグメント化は進むだろうが、同時に全体的な形勢も上向くのではないか。これまでは、オープンソース・モデルを後押しするチアリーダー的存在が(Linuxには)欠けていた。例えば、UbuntuはすばらしいOSだが、だれが(Linuxのために)メッセージを伝えているのか、だれが魅力あるアプリケーションを作っているのかがはっきりしなかった。
いずれにせよ、Chrome OSの登場によって、Linuxはネットブックというカテゴリーで非常に良い勢いを得たと考えている。
ネットブック向けLinux OS「Moblin」の開発を管理しているLinux Foundationのエグゼクティブ・ディレクター、ジム・ゼムリン(Jim Zemlin)氏:
企業やベンダーが製品をLinuxベースにすればするほど、Linuxは強くなる。Linuxとコンシューマーが真の勝者となる日も、そう遠くはない。
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