ユナイテッド航空の大規模システム統合を支えた“人間中心”のプロジェクト管理
大規模統合に付き物の「部門間の壁」をプラクティスで克服老朽化した基幹系システムを一新するべく、ホライゾン計画と呼ばれるシステム統合プロジェクトに取り組んでいる航空大手の米国United Airlines。同社にとってこの計画は、最新テクノロジーの導入で競争力強化を図るだけでなく、大規模システム統合の成否に大きくかかわる“人間中心”のプロジェクト管理を実践する場でもあった。
Esther Schindler
CIO米国版
“化石”のようなシステムとの決別
当社は心臓移植の真っ最中――。自身が担当する「Horizon Project(ホライゾン計画)」をこう表現するのは、米国United Airlinesのビジネス・プログラム・マネジャー、シャーマ・パテル(Shama Patel)氏だ。同氏は現在、多くのメンバー、そしてドイツのLufthansaとともに、SOA(サービス指向アーキテクチャ)ベースの業務刷新プロジェクトに取り組んでいる。
ホライゾン計画のゴールは、Unitedの予約システム、在庫管理システム、乗客のチェックイン(搭乗手続き)システムのすべてを同時に刷新することにある。新システムのビジネス・プロセスはSOAの下でサービス化される予定だ。
ホライゾン計画は、Unitedの既存システムがとうに更新時期を迎えていることが背景にある。このシステムは、一応は見栄えのよいGUIに覆われているが、中身は40年も前に開発されたモノクロ・ディスプレイ時代の代物だ。化石のようなこのシステムを昨今のニーズに対応させようとしても、もう拡張のしようがないし、他システムと連携させたくてもつなげられない。そう考えたパテル氏は同システムに見切りをつけ、ホライゾン計画を立ち上げたのである。
かつては旅行代理店(例えば米国の旅行サイト「Travelocity」)でも相互接続性のない独自のシステムが稼働していたが、今は相互接続が不可欠である。理由は簡単で、顧客が最新の技術を望むからだ。BlackBerryを使ったチェックインは、その一例にすぎない。
LufthansaとUnitedが目指すのは、簡単に言えば両社が共通して利用するソフトウェア・プラットフォームである。これは、ゆくゆくは国際的な航空会社ネットワーク「スターアライアンス(Star Alliance)」の加盟各社でも利用されることになっている。
パテル氏にとって、同プラットフォームに採用されているテクノロジーを事細かに紹介するのはさほど難しいことではなかったはずだ。にもかかわらず、IT部門のリーダー諸氏に向けたプレゼンテーションで同氏が力説したのは、テクノロジーではなくプロジェクト管理の重要性だった。
























