SAP、ERP用エンハンスメント・パッケージ最新版をリリース
バージョン4、「ERP 6.0」に100を超える新機能を追加ドイツのSAPは11月12日、統合ERPパッケージ「ERP 6.0」を機能強化する最新版エンハンスメント・パッケージ(バージョン4)をリリースした。
近年、SAPは製品の定期的なフル・アップグレード(メジャー・バージョンアップ)を中止し、その代わり、既存バージョンのソフトウェアに機能を順次追加していくという戦略を採っている。エンハンスメント・パッケージの配布はこれを反映したものだ。
エンハンスメント・パッケージを提供することで、SAPは旧バージョンのERPプラットフォームを利用する顧客に対し、ソフトウェアの更新を促している。
今回リリースされたエンハンスメント・パッケージ最新版では、これまでにリリースされた3バージョンの機能に加え、100点を超える新機能が追加された。財務、人事、工場設備/操業、製品開発/調達などの業務機能において改善が行われたほか、自動車、防衛、金融、小売、公共事業といった、個別の業界に対応する専門的機能も加わった。
SAPの動向を長期にわたり追っている米国Enterprise Applications Consultingの社長、ジョシュア・グリーンバウム(Joshua Greenbaum)氏は、「エンハンスメント・パッケージ戦略は、今のところうまくいっている」と評価している。
グリーンバウム氏は「(この戦略によって)顧客がイノベーションを手に入れるための費用が大幅に削減された」と語る。同氏の知るSAPユーザーの一部は、以前のアップグレード作業がいかに大がかりで困難だったかを、既に忘れてしまっているという。
SAPは今後もオンプレミス(自社導入型)のERPプラットフォームを改良していく方針だが、それと平行して、大企業向けにソフトウェアをオンデマンド販売する新たなキャンペーンも展開する。このキャンペーンのために、同社はOracleでアプリケーション部門幹部を務めていたジョン・ウーキー(John Wookey)氏を採用した。同氏は、Oracleのビジネス・ソフトウェア群から最高の機能を集めた次世代アプリケーション・スイート「Fusion Application」の戦略を推進した立役者だ。
なお、SAPは中堅企業向けのオンデマンドERP製品「Business ByDegisn」の開発にも取り組んでいるが、ウーキー氏はこのプロジェクトには関わらないという。
グリーンバウム氏は、SAPのオンデマンドERP計画が成功を収めたとしても、中核事業の規模を上回ることはないだろうという考えを示した。
「SAPだけでなく、市場全体が(オンプレミス/オンデマンドの)“ハイブリッド・モデル”に向けて進化している。中にはクラウドに移行することのできるソフトウェアもあるが、SAPのような企業の場合、最大の価値があるのはオンプレミスの製品であることに変わりはない」(同氏)



























