コムキャストのP2Pトラフィック制限問題、ユーザーとの和解が成立
「和解成立を歓迎する」と同社米国ペンシルベニア州東部地区連邦地裁のレグロム・デービス(Legrome Davis)判事は7月8日、米国Comcastが自社のブロードバンド・サービスでピア・ツー・ピア(P2P)トラフィックを制限した問題をめぐる集団訴訟で、ユーザー1人につき16ドルを支払うという和解案を承認した。
消費者保護や環境問題に関する訴訟を専門に扱う法律事務所で、原告であるジョン・ハート(Jon Hart)氏の代理人となっているLexington Law Groupは7月8日、デービス判事が6月29日に和解案を承認したと発表した。
Comcastは和解に従い、最大1,600万ドルを顧客に対して支払うことになっている。同社の15Mbpsブロードバンド・サービスは、特別な割引サービスが適用されない場合、通常月額42ドル95セントだ。
申請資格のある顧客は、2006年4月1日から2008年12月31日までP2PプロトコルのAresやBitTorrent、eDonkey、FastTrack、Gnutellaを使っていたComcastの元ユーザーまたは現ユーザー、およびファイルの共有ができない、あるいはファイル共有サービスの速度が低下したと感じたユーザーだ。また、2007年3月26日から同年10月3日までの間にLotus Notesを使って電子メールを送信することができなかった顧客も対象になる。
Lexington Law Groupの弁護士、マーク・トッズォ(Mark Todzo)氏は今回の和解について、Comcastの顧客にとって「すばらしい成果」であるとしたうえで、「申請を出すことによって顧客が受け取ることができるのは、1,600万ドルの一部である」と説明した。
トッズォ氏は、「申請すればComcastの顧客が非合法な素材をダウンロードできるようになる」という一部メディアの報道を否定した。
「(この報道は)まったくの誤りだ。多くのユーザーが、P2Pプロトコルを正当かつ合法的な目的で使用しており、申請を出す際に言えるのは、問題のプロトコルを使用していて、サービスの速度が低下したという事だけだ」(トッズォ氏)
一方、Comcastがトラフィックを抑制していることを2007年に突き止めたネットワーキング技術者のロブ・トポルスキ(Robb Topolski)氏は、顧客にとって不利な和解条件であると批判する。
「今回の和解で個々の加入者が手にするのは、最大16ドルであり、この額は、Comcastがアップロードをブロックしていた時期に加入者が支払ったインターネット・サービス料金のおよそ1%に過ぎない。この和解条件は、Comcastがサービスの質を低下させ、加入者を欺いた行為に見合わず、公正な和解とはとても言えない」(トポルスキ氏)
Comcastは今回の和解成立を歓迎している。同社の広報担当者は、「判事の承認が得られたのは喜ばしいことであり、この問題を決着させることができることに満足している。当社としては、現時点でもネットワーク管理業務が適正なものであり、顧客の利害にかなうものだったと信じている。当社は常に、すべての顧客の利益を考えてネットワークを効果的に管理することを目指している」と語った。
ComcastがP2Pアプリケーションなどの通信速度を低下させているという問題は、2007年末に明らかになった。同社は当初この事実を否定したが、その後、ネットワークの輻輳に対処するためトラフィックを制限することが必要だったと説明していた。
(Grant Gross/IDG News Serviceワシントン支局)



























