DFS搭載無線LANシステム採用時の留意点を考える――DFSは11nに利益をもたらすのか
Wireless Alert 第2回DFS(Dynamic Frequency Selection、動的周波数選択)は、5GHz帯の特定のチャネルを、軍用レーダーや気象レーダーと無線LANシステムが共用するために用いられる技術だ。米国FCC(連邦通信委員会)はこのチャネルを、レーダーが利用していない場合にのみ、無線LANシステムが使用してよいと定めている。そのため、DFSを実装した無線LANシステムは、レーダーの存在を検出すると、通信チャネルを自動変更するようになっている。では、これが無線LANシステムの実装やパフォーマンスにどう影響を与えるのだろうか。
DFSとは
DFS(Dynamic Frequency Selection、動的周波数選択)は、5GHz帯の特定のチャネルを、軍用レーダーや気象レーダーと無線LANシステムが共用するために用いられる技術だ。米国FCC(連邦通信委員会)はこのチャネルを、レーダーが利用していない場合にのみ、無線LANシステムが使用してよいと定めている。そのため、DFSをサポートする無線LANシステムは、レーダー(干渉波)の存在を検出すると、通信チャネルを自動変更するようになっている。では、これが無線LANシステムの実装やパフォーマンスにどう影響を与えるのだろうか。
無線LANシステムに求めるキャパシティと、DFSの関連について考えてみたい。まず第一に、あなたのシステムは、米国において免許不要で使える3つの5GHz帯(UNII:Unlicensed National Information Infrastructure)で、重なり合わない12チャネルすべてを使う必要があるだろうか。
その答えが「Yes」であれば、使用する無線LANシステムが単に「DFS技術をサポートしている」だけではだめだ。5.25〜5.35GHz帯と5.47〜5.725GHz帯を利用するためには、FCCによるDFS機能のチェックをクリアして、製品の認証を受けなければならない。
仮に5GHz帯を利用する無線LAN製品が、当該チャネルを利用するための認証をFCCから受けていないならば、次のいずれかにあてはまることになる。
- FCCの規制に違反しないよう、当該チャネルが使用できないように設定されている製品。この場合、ユーザーは当該チャネルの利用をあきらめることになる
- ベンダーの認識不足、あるいは故意によって、違法にそれらのチャネルが利用できる製品
DFSに対する認証を受けていないにもかかわらず、それらのチャネルを利用できる製品を米国内で提供した場合、「ベンダーはFCCから警告を受けることになる」とテリー・マーン(Terry Mahn)氏は語る。Mahn氏は、ワシントンD.C.のフィッシュ&リチャードソン法律事務所で、規制実務分野のマネージングプリンシパルを務める人物だ。
続けてMahn氏はこう警告する。「ユーザー企業がそのような製品を入手しても、罰金の支払いやそのほかの法的ペナルティを受けたくないならば、当該チャネルの使用をブロックするか、法的な問題が解消されるまで無線LANネットワークを停止しなければならない」。
DFS搭載製品における留意点
調査会社のガートナーは、DFS問題について触れた短いレポートの中で、ミッションクリティカルな業務に対してはUNIIの2チャネルを利用すべきではないとしている。これらのチャネルでは、DFSによるチャネル変更とそれに伴う遅延が最も発生しやすいからだ。
また、別のシナリオも考えられる。製品がDFSをサポートし、FCC認証を受けたとしても、本来DFSが必要なUNIIチャネルだけでなく、すべてのチャネルにDFSを適用しているかもしれない。そうすると、あらゆるチャネルで干渉回避のためのチャネル変更が頻繁に発生することになるだろう。
いずれにせよDFSを搭載した製品を、干渉が発生しやすく、チャネル変更がひんぱんに行われるような環境で使うのであれば、結果的に遅延が大量に発生してパフォーマンスが不安定になるだろう。例えば、一部の無線LANシステムでは、新しいチャネルに移行するたびに接続処理の完全なやり直しが求められる。これでは非常に使い勝手が悪い(なるべく干渉の発生しにくいチャネルを選んで使うことになる)。他方、そうした必要がなく、チャネル移行がスムーズに行われる無線LANシステムもある。
こうした理由から、DFS機能を備えた無線LANシステムが実際にメリットをもたらすかどうかは、さまざまな条件に左右されるという結論になる。802.11nでネットワークを構築する際には、よく考慮すべき事柄だろう。



























