省電力・低コストで産業向けに高度な無線通信機能を提供 |ワイヤレス技術|トピックス|Computerworld

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ワイヤレス技術

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【連載】

省電力・低コストで産業向けに高度な無線通信機能を提供

次世代ワイヤレス技術まるわかり 第5回 ZigBee
(2008年09月08日)

ZigBeeは、いわゆるPAN(Personal Area Netowk)向けに開発された無線技術だ。消費電力が非常に小さく、チップなどのハードウェアが非常に安価であることが特徴だ。電池を入れておけば数か月から数年持つため、メンテナンスの困難なビル照明の管理やバスなど交通システムのインフラとしても、効果が期待されている。

最大6万5,000ノードの
メッシュネットワークを構成可能

 ZigBeeはPAN(Personal Area Network)向けの無線通信技術で、半径10〜100メートル程度の近距離通信を想定し、産業用途向けに開発されている。電波的な部分の仕様策定を担当しているのはIEEE 802.15.4タスクグループであり、機器間の通信プロトコルについては業界団体である「ZigBee Alliance」が仕様策定を行っている。日本においては、現時点ではまだ普及段階には至っていないが、すでに評価キットや開発ツール、無線モジュールなどは販売されている。

 同じ近距離無線通信技術であるBluetoothが、デバイス間で「1対1」の通信のみを想定しているのに対し、ZigBeeは同時に多数のノードと接続する「1対多」の通信を想定している。

 ZigBeeは、「スター型」「メッシュ型」「クラスタツリー型」という3種類のネットワークトポロジーを構成できる(図1)。通信制御を担当する「コーディネータ(ZC:ZigBee Coordinator)」を最低1台配置し、通信を中継する「ルータ(ZR:ZigBee Router)」やクライアントとなる「エンドデバイス(ZED:ZigBee End Device)」を設置してネットワークを構築する。


図1● ZigBeeは、スター型、メッシュ型、クラスタツリー型などのトポロジーを構成でき、効率がよく自由度の高いネットワーク構築を可能としている

 スター型トポロジーは、ZC配下にZEDを配置する形態であり、ZED間の通信はすべてZCを介して行われる。このトポロジーでは、ZEDを6万5,000台以上収容することが可能だ。メッシュ型は、近接するZC/ZR間にリンクを張るため、電波の届かない地点と接続を確保したり、障害発生時に容易にう回経路を確保したりすることができる。クラスタツリー型は、ZCやZRを中心としたスター型トポロジーを、ZCを中心としたツリー構造で収容するタイプである。

ビル管理や交通システムなど
さまざまな分野での適用を期待

 ZigBeeの最大のポイントは、消費電力が小さくハードウェアが安いことだ。消費電力量は、Bluetooth規格の“120ミリワット”、次世代BluetoothやワイヤレスUSBで用いられるUWB(Ultra Wide Band:超広帯域無線)の“100ミリワット以下”に対し、“60ミリワット以下”と規定されている(表1)。


表1● Bluetooth、UWA、ZigBeeの仕様比較表。伝送速度は遅いが、消費電力が少ないのがZigBeeの売りだ

 沖電気や三菱電機、村田製作所などが2005年に設立したZigBee普及促進のための業界団体である「ZigBee SIG(Special Interest Group)ジャパン」では、アルカリ単3電池2本で数か月〜2年間稼働し、LSI単位で2米ドル程度にすることを目標としている。

 伝送能力については、使用する周波数帯によっても異なるが、日本では2.4GHz帯を使用して250Kbps、米国では902M〜928MHzを使用して40Kbps、欧州では868M〜870MHzを使用して20Kbpsとなっている。ただし、国内ベンダーの実験結果によると、実効速度は192Kbpsまでで、安定して通信可能なのは144Kbps程度であるとされている。

 ZigBeeの適用範囲は広く、業務用の電気スイッチ、照明設備、家電などさまざまなものへの応用が考えられている。大容量のデータをやり取りするのは困難だが、無線メッシュネットワークを構成できる特徴を利用して、例えばビルの照明管理などの配線の難しい個所への適用が考えられている。低電力で動作するため、ほとんどメンテナンスも必要なく、高度な照明管理が可能になると期待されている。

 米国では、高機能な交通システムへの適用が考えられており、バスとバス停の間でZigBeeを用いてデータをやり取りし、運行状況を管理する仕組みなどが開発されているとのことだ。ZigBeeは、SN比(Signal to Noise Ratio)が低い――つまりノイズの多い環境でも高いパフォーマンスを発揮できるため、こうした過酷な条件下で活躍することだろう。

(Computerworld.jp)

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