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ワイヤレス技術

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【連載】

いつでもどこでも使えるIPネットワーク

次世代ワイヤレス技術まるわかり 第6回 3.5G/3.9G/4G
(2008年09月08日)

現行の携帯電話サービス「第3世代(3G)」から、高速化・IP化が図られる「第4世代(4G)」への移行はいつになるだろうか。現時点では、4Gへの移行ギャップを埋めるインフラとして、高速データ通信を実現する3.5G、フルIP化を図る3.9Gといった技術が登場している。

3Gから4Gへ、
回線交換からパケット通信へ

 現在の携帯電話通信は「第3世代(3G)」と呼ばれるサービスが主力となっている。無線アクセス方式として、NTTドコモ、ソフトバンクモバイル、イー・モバイルは「W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、KDDIは「MC-CDMA(Multi-Carrier Code Division Multiple Access)」を使用している。

 これらは、いずれも無線インタフェース部分を従来のPDC(Personal Digital Cellular)方式から変更しているものの、基本的には回線交換方式を用いた電話サービスの延長線上にある。

 これに対し、2010年代の実用化が予想されている第4世代(4G)携帯電話では、周波数帯の引き上げ(5G〜6GHz帯を使うと予想されているが未確定)、伝送能力の向上(100Mbps級)に加えて、ネットワークのIP化を図ることになっている。

つまり、固定電話サービスからIP電話サービスに移行するのと同じように、回線交換方式ベースからパケット通信ベースへと変化するわけだ。ただし、各国で4G技術の研究・開発は進められているものの、その中で標準化がなされ、実際のサービスが開始されるまでにはまだ当分時間がかかる。

4Gへの道しるべ
IP化を実現する3.9G

 そこで、3Gと4Gの間に位置するギャップインフラとして、業界団体の3GPP(Third Generation Partnership Project)が仕様策定作業を進めているのが「LTE(Long Term Evolution)」だ。正式には「3GPPリリース8 LTE/SAE(System Architecture Evolution)」という。ベンダー/キャリアによっては「スーパー3G」「3.9G」という名称を使う場合もある。現在は携帯通信事業者や携帯機器メーカーが実証試験を行っている段階で、2009年ごろまで試験を行い、2010年ごろの実用化が見込まれている。

 現行の3Gサービスでは、パケット通信による高速データ通信サービスを提供している。高速性が売りのイー・モバイルを例に採ると、「HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)」によって、下り最大7.2Mbps(2007年12月12日サービス開始)、上り最大384Kbpsの伝送速度を達成している。こうした高速データ通信サービスを「3.5G」と呼ぶこともある。

 一方、LTE(3.9G)では、データ通信速度をさらに引き上げて、下り最大100Mbps、上り最大50Mbpsクラスを目指す。変調方式としては「VSF-Spread OFDM(Variable Spreading Factor-Spread Orthogonal Frequency Division Multiplexing:可変拡散率-直交周波数・符号分割多重)」を導入するほか、4Gに先行してIP化を図る。ただし周波数帯は、3Gと同じ2GHz帯を使用する。

 現在はまだHSDPAのサービスエリア拡大を進めているところで、すぐにLTEのサービスが始まる状況ではないが、今後のサービス実現が期待されるところだ。

ユビキタス社会を実現するか、KDDIのウルトラ3G構想

 KDDIでは、次世代の通信インフラとして「ウルトラ3G」と呼ぶ構想を進めている。考え方はNTTグループが推進するNGNと同様で、固定電話サービス、その他の有線通信サービス、3Gなどの移動体通信、無線LAN/モバイルWiMAX/xDSL/FTTHなどによるデータ通信サービスやインターネットアクセスサービスなど、さまざまな通信サービスをIPv6ベースのコアネットワークで統合して提供するというものだ。

 そのため、通信サービスの基盤となる制御機器についても、NGNと同様に3GPPと3GPP2がそれぞれ4Gでの利用を前提にして標準化した「IMS(IP Multimedia Subsystem)」と「MMD(MultiMedia Domain)」のアーキテクチャに準拠することになっている。

 KDDIによると、ウルトラ3Gが意図しているのは、ユーザーに“固定体通信”“移動体通信”といった違いを意識させないシームレスな通信サービスを、高い品質で、いつでもどこでも最適な通信環境を通じて提供することとしている。あえて「4G」と銘打たなかったのは、既存の3Gサービスとの連続性があることを強調するためのようだ。

 実際のウルトラ3Gサービスの利用形態例としては、電車などで移動中にはインスタントメッセンジャーなどのテキストベースのデータ通信で相手とやり取りし、オフィスや自宅に到着したら音声通話に切り替えて、相手との通信を継続するといったものがあげられる。こうした通信手段の垣根を取り払おうという考え方は、NGNによるFMC(Fixed Mobile Convergence)と同様だ。

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