マイクロソフト、EUの政府調達から追放される可能性
過去の独禁法違反行為が再び焦点に欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会が発表した声明文によると、米国Microsoftは過去の独占禁止法違反行為を理由にEU諸国政府のIT調達への入札が禁じられる可能性があるという。
6月9日付けで発表されたこの声明文は、2人の欧州議会議員が提出した質問書に対する返答だ。欧州緑の党に所属し、欧州議会議員を務めるドイツのハイデ・リューレ(Heide Ruhle)氏とフランスのアラン・リピエッツ(Alain Lipietz)氏は今年4月、欧州委員会に質問状を提出し、EUの既存の財務調達規則に照らした場合、Microsoftの過去の独禁法違反行為は同社に政府調達への入札禁止を命じる根拠となりえるかどうかの判断を求めた。ここで焦点となるのは、EUの財務規則第93条など、公的な調達に関する既存のEU指令がMicrosoftに適用されるかどうかである。
EUの財務規則第93条では、プロジェクトへの入札希望者が過去にその商行為を巡り司法当局から有罪判決が下されたことのある場合、あるいは「職業上の重大な不正行為」を行ったと見なされる場合、入札への参加は拒否されることになっている。
欧州委員会はこの質問状に対する返答書において、「この第93条には、独禁法違反を理由とする欧州裁判所の判決や欧州委員会からの制裁金が包含されていないため、その点ではMicrosoftの立場は自由と言える」と指摘している。
Microsoftは2004年に独禁法違反で欧州委員会から4億9,700万ユーロの制裁金を科されたほか、是正措置として、同社のメディア・プレーヤ「Windows Media Player」を搭載しないバージョンのWindows XPの販売と、競合他社のワークグループ・サーバ製品をWindowsで正しく動作させるための情報の開示を命じられている。
ただし欧州委員会によると、何をもって「職業上の重大な不正行為」とするかの判断は調達当局に任されるという。
「この条項の解釈はケース・バイ・ケースで判断する必要があるだろう」と声明文には書かれている。
この質問状を支持している英国緑の党所属の欧州議会議員、キャロライン・ルーカス(Caroline Lucas)氏の広報担当を務めるメリッサ・フリーマン(Melissa Freeman)氏は、この返答書について次のように語っている。「この指針はかなりあいまいだ。欧州委員会ははっきり否定もしなかった。様子を見ながら判断しようということなのだろう」
この件に関して6月17日にMicrosoftに問い合わせたが、コメントは得られなかった。
(Jeremy Kirk/IDG News Serviceロンドン支局)
























