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【New York/Pennsylvania大学調査】

オフショアの影響で、ITワーカーの8%が現職を追われる――2大学の共同調査より

「対人関係の技能を必要としない技術職ほど余剰感が強まっている」と指摘
(2008年08月29日)

 今、米国では、国外の外部企業に開発業務などを委託するオフショア・アウトソーシングの増加に伴って、ITワーカーの8%が職を失ったり、異動を迫られたりしている。8月26日に公開された、New York大学Stern School of BusinessとPennsylvania大学Wharton Schoolによる共同調査から明らかになったもので、影響を受けたITワーカーの比率は、他の職種の2倍だという。


8月26日にSocial Science Research Networkに投稿された、オフショア・アウトソーシングの進展とITワーカーの雇用の影響を調査したリポート「How Does Offshoring Affect Information Technology Workers?」(閲覧にはSSRNの会員登録が必要)

 調査リポートの題名は、「How Does Offshoring Affect Information Technology Workers?」。調査対象となったのは、さまざまな職種の勤労者およそ6,700人と、採用責任者や人事関係の専門職およそ3,000人で、この種の調査としては最大規模のものだ。今回の調査結果は、プログラマーや開発者など顧客企業と接触する機会が少ない純粋な技術職に就いているITワーカーが国外アウトソーシングの影響を最も受けやすいという、以前から言われていた見方をあらためて裏づけるものとなった。

 調査リポートを執筆したStern School of Business准教授のプラサナ・タンベ(Prasanna Tambe)氏とWharton School教授のローリン・ヒット(Lorin Hitt)氏も、これらの職種は真っ先に国外アウトソーシングの対象になっていると指摘する。

 この調査をスポンサードした米国の職業紹介サイトCareerbuilder.comは、今年4月に初期の調査データを公表しているが、26日にSocial Science Research Network(SSRN)に投稿された44ページに及ぶリポートでは、国外アウトソーシングの影響を直接受けるITワーカーの現状を示すデータも分析されている。

 タンベ氏は、国外アウトソーシングの影響を受ける職種が今後大きく広がる可能性を指摘し、「今はITワーカーの数字が突出しているが、いずれ他の職種との差は縮まっていくだろう」と述べている。

 リポートによると、何らかの形で国外に業務をアウトソーシングしている企業の比率は、全体では15%強だが、IT企業と電気通信企業ではおよそ40%に達しているという。また、プログラミングやソフトウェア開発業務を国外にアウトソーシングしている企業は30%を超えているが、他の部署といっしょに作業することの多いシステム・アナリストの業務をアウトソーシングしている企業は15.5%だった。

 国外アウトソーシングによって失業や異動を迫られた人の比率は、勤労者全体のうち4%となっている。ITワーカーの場合、この比率は8%に上がるが、このなかにはこれまでに影響を受けた人がすべて含まれており、年間では1〜2%程度だという。また、国外アウトソーシングの影響を受けた勤労者のうち70%は職を失っており、年齢の高い人ほど対象になりやすい。

 リポートは今後の見通しを示していないが、対人関係の技能を必要としない技術職ほど余剰感が強まっていると指摘する。このため、コミュニケーション能力を高めたり、長期的に見て安定した技術職(例えば、複数の組織をまたぐようなプロセスの変更に関係する業務や実際に現場でサポートを行う業務など)を探したりする動きが広がる可能性もある。

 また、リポートは、政策立案者に対しても、ITワーカーを対象とした職業訓練や賃金補填などの支援策を実施するよう求めている。

(Patrick Thibodeau/Computerworld米国版)

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