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AMD、ハンドヘルド・チップ事業をクアルコムに売却

クアルコムは設計開発チームの移籍も提案中
(2009年01月22日)

 人員削減と給与カットを発表したばかりの米国AMDが、今度はハンドヘルド・チップ事業をQualcommに売却したことを明らかにした。売却額はおよそ6,500万ドルで、すでに規制当局の承認も得ているという。

 両社の共同声明によると、売却契約は1月19日に締結された。ハンドヘルド・チップ事業を手放したAMDは、中核的な事業であるx86チップとハイエンドのマルチメディア・チップに力を注ぐ方針だ。


半導体製造部門の分社化によって設立された新会社「The Foundry Company

 ただし、6,500万ドルという買収金額は、これから行われる従業員関連支出の調整に応じて変動する可能性がある。Qualcommでは、2009会計年度決算(今年9月締め)での1株当たりの純利益が、今回の買収によって2セント減少するとの見通しを示している。

 業績低迷に苦しむAMDにとって、今回の資産売却は数年前から続くリストラ策の一環だ。例えば、同社は昨年10月に半導体製造部門を分社化したのをはじめ、今月19日には新たに1,100人の人員削減と給与カットを実施すると発表した(関連記事)。

 こうしたAMDの状況について、米国の調査会社J. Gold Associatesのアナリスト、ジャック・ゴールド(Jack Gold)氏は、「今はIntelとの競争どころではないはず。(AMDは)大きな収益が得られる分野を早急に探さなければならない状況にある」と分析する。

 QualcommがAMDから買い取ったのは、ハンドヘルド・チップ部門のグラフィックス技術資産や知的財産権など。このグラフィックス技術は、スマートフォンとMID(Mobile Internet Device)の両方で使用可能とされている。

 MIDは、ハイエンドのスマートフォンよりも少し大きいデバイスで、今後の普及が期待できるジャンルだ。スマートフォンとMIDのいずれも、4〜5年前のPCと同レベルのパワーを有しており、マルチメディア機能にも対応できる。

 また、QualcommはAMDに対して、同社の設計開発チームを雇い入れることも提案しているという。この設計チームは、2Dや3Dのグラフィックス、ディスプレイ、オーディオ/ビデオ製品などの開発を担当している。

 Qualcommでは、AMDのマルチメディア技術を自社のSoC(System on Chip)製品に統合する方針を示している。なお、AMDがATI Technologies買収で獲得したモバイル・グラフィックス技術のライセンスをQualcommはすでに得ており、スマートフォンやノートPCに対応するARMベースの「Snapdragon」などで使用している。

 米国の調査会社Insight64のアナリスト、ネーサン・ブルックウッド(Nathan Brookwood)氏は、Qualcommによる資産買収は同ライセンス契約の延長線上にあるとの見方を示している。Qualcommとしては、開発チームも併せて取り込めば今後もグラフィックス機能の開発を継続できることになるほか、他社に技術をライセンスすることも可能になる。

 もっとも、Qualcommによる今回の買収は、AMDの資産が競合他社の手に渡らないようにするためとの見方もある。ブルックウッド氏によると、この種の資産は、同じものを複製したり、他の分野に転用したりするのが難しいという。

 「Qualcommは、有益な資産を手に入れたうえ、競争面で不利な立場に陥るのを避けることができた。彼らは、(買収した資産を)Nvidiaのモバイル・プラットフォーム(Tegra)との競争にも役立てるはずだ」(ブルックウッド氏)

(Stephen Lawson/IDG News Serviceサンフランシスコ支局)

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