国内企業のIT投資、2007年度以降3年で成長鈍化が加速
「売上増大への直接的な貢献」や「業務コスト削減」を重視アイ・ティ・アール(ITR)は1月29日、国内企業を対象とした2009年度(2009年4月〜2010年3月)IT投資動向調査の結果を発表した。それによると、企業IT投資の伸びは2007年度以降、3年連続で縮小する見通しとなった。同調査は、2008年9月にCIO Magazine(発行:IDGジャパン)と共同で実施したもので、502社から有効な回答を得ている。
国内企業のIT予算動向を、2008年度と前年度実績の比較とともに、2009年度の見通しを加味して指数化した「投資指数」で見ると、デフレやさまざまな経済情勢不安の影響を最も受けた2003年度を底に、その後は回復に向かい2006年度は過去最高の+3.9に達したが、2007年度の+2.8に続いて2008年度も2003年度の水準となる+1.9に縮小した。2009年度についてはこれがさらに減少し、過去最低の+1.3になる見通しだ。
2009年度の投資指数を業種別に見ると、例年同様に「金融・保険業」が+3.6と最も高く、次いで「流通・小売・商社」が前年度よりさらに伸びを拡大し+2.8と高い数値を示している。
一方、「製造業」および「建設業・その他」は、ともに全体平均の+1.9を下回る+0.7となり、前年度を若干上回る投資にとどまる見通しだ。また「官公庁・公共団体」はマイナス1.6を記録し、2009年度は前年度より投資額が減少することが予想される。
企業の売上高に対するIT予算額の比率は、2001年度(1.3%)の調査開始以来、毎年増加を続け、2006年度に過去最高の3.2%に達したが、2007年度から減少に転じ、2008年度も前年度の2.9%から2.8%へとわずかながら減少した。
企業が2009年度のIT戦略上で重要視するキーワードについて16項目の選択肢から回答を求めたところ、「売上増大への直接的な貢献」を最重要とする回答が最多となり、これに「業務コスト削減」が続き、企業の収益を左右するIT戦略を重視する傾向が強く表れている。
アプリケーション(16分野)への企業の注力度を調査した結果、2009年度の注力度は、例年同様「販売支援・営業支援」が最も高く、「財務会計」がこれに僅差で続き、「データ分析」「顧客管理」「販売管理」も上位を占めた。
ITRの代表取締役 内山悟志氏は、「(経済環境が悪化するなか)今後は、業務コスト削減や売上げ増大に寄与することが見込まれる重要な案件に投資の対象が絞り込まれていくことが予想される」とコメントしている。
同調査は、CIO Magazineの読者およびITR開催のセミナー出席者などのうち、国内企業の情報システム系および経営企画系部門の部長以上の役職者5,000人(1人1社)に調査票を送付し、返送もしくはWeb経由で回答を受け付けた。
今回の調査結果の詳細は、ITRが発行したリポート「国内IT投資動向調査報告書2009」に掲載されている。同報告書は、国内企業のIT投資の実態とIT戦略の現状および今後の展望をより明確にするために、過去の調査結果との経年変化に加え、企業規模別・業種別にデータをクロス集計するなど詳細な分析を行っている。
(Computerworld.jp)



























