FTC、製品レビュー・ブログや有名人の推薦広告に規制を導入
報酬支払や製品の無償提供があった場合の情報開示を義務づけ米連邦取引委員会(FTC)は10月5日、報酬を受け取って製品評価記事(製品レビュー)を掲載するブロガーに対し、その事実を読者に公表するよう義務づける新たな規則を発表した。12月1日から施行される。
FTCの発表文書(PDF)によると、この規則は金銭だけでなく、製品の無償提供を受けた場合にも適用される場合があるという。また、オンライン広告、オフライン広告などの「利用者の証言」や著名人の推薦文などについても同様だ。
FTC消費者保護局のアシスタント・ディレクター、リチャード・クレランド(Richard Cleland)氏は、「ブロガーは製品評価目的で製品の無償提供を受けた場合、その事実を明記するか、評価後に製品を返還しなければならない」と説明している。
クレランド氏は、製品評価記事に対して直接的に報酬を提供する行為が、この規則の対象だと説明した。したがって、記事で取り上げられた製品を販売するベンダーからの広告料で運営されている場合などは適用外となる。
5日付けの一部メディアでは、この規則に違反したブロガーなどには最高で1万1,000ドルの罰金が科されると報じられた。だがクレランド氏によれば、FTCとしては当面「警告」にとどめる方針であり、実際に罰金を科す可能性は低いという。また、この規則は報酬を支払って評価を依頼する広告会社などにも適用されるものであり、取り締まりの対象になる可能性はブロガーよりも広告会社のほうが高いという。
ただしFTCは、広告会社であっても、実際に取り締まりを行うのは「特に重大な問題となるような」案件に限るという姿勢で臨むという。「ブロガーに関してはまず、啓発活動に重点を置いている。ブロガーの数は多く、個別の事案にその都度対応するのは現実的ではない」(クレランド氏)。
この規則に違反する行為があった場合、FTCは、まず企業や個人に不公正な行為をやめるよう命じるが、それでも違反行為が続いた場合には、最高で1万1,000ドルの罰金が科される。
FTCは、ブロガーなどが金品を受け取って製品評価を行っているという問題について2007年から調査を続けてきた。
ただし、FTCに対してこの問題に対処するよう求める声もある一方で、大半の問題は広告業界の自主規制により解決できるという声も出ている。
保守系シンクタンクProgress and Freedom Foundation(PFF)のCenter for Internet Freedomでディレクターを務めるベーリン・ゾカ(Berin Szoka)氏は、新しい規則の内容が不明確でわかりにくいため、オンライン製品評価が減る可能性もあると指摘し、「表現の自由が侵害される懸念がある」と批判する。同氏によると、PFFはIT製品の評価を行い、その製品のベンダーから資金提供を受ける事もあるという。
一方、ブロガーで、ブロードバンド関係のコンサルタントでもあるクレイグ・セトルズ(Craig Settles)氏は、この規則を評価している。同氏によると、現実にはさまざまな分野で金品授受を伴う製品評価が行われているという。「近年、企業や消費者の間でブログの重要性が高まっている。なかには、有名人並みの地位を獲得し、製品やサービスの売上に影響を及ぼしているブロガーもいる。現在のブログ環境は、企業が発信するマーケティング・メッセージの一部になっていると思う」(セトルズ氏)。
(Grant Gross/IDG News Serviceワシントン支局)



























