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【コラム】

全米ブロードバンド計画が企業のIT活用に与える影響は?

企業向けの施策は盛り込まれていないが間接的なメリットはある
(2010年03月19日)

 米連邦通信委員会(FCC)は、多くの文言を費やして米国の1億世帯に100Mbpsのブロードバンド接続を提供するという「National Broadband Plan(全米ブロードバンド計画)」について説明している。しかし、この計画が企業ユーザーに及ぼす影響に関しては未知数の部分が多い。

 この計画は、コンシューマー市場でブロードバンドの普及を促進し、サービスの品質を向上させることに重点を置いたもので、企業に直接関係する施策が盛り込まれていない。だが、企業はこの計画に含まれるさまざまな政策の恩恵を、間接的に享受するようになると思われる。

 その最も顕著な例は、ネットワークの高速化により在宅勤務者の作業効率が向上するというメリットだ。FCCは、ブロードバンド・ネットワークを新たに整備するため155億ドルの資金を投入するよう提言しており、無線ブロードバンドに500MHzの周波数帯を開放する方針も打ち出している。こうした施策により、米国内のほぼすべての地域で高速のブロードバンドを利用することが可能になるはずだ。

 Nemertes Researchの社長、ジョナ・ティル・ジョンソン(Johna Till Johnson)氏は、「当社が最近行った調査によると、84%の企業が在宅勤務を行う従業員の数が増えつつあると答えている。こうした企業では、従業員の利用できるネットワークの帯域幅が増える拡大という恩恵が期待できる」と語っている。

 Gartnerのアナリスト、アレックス・ウィンノグラドフ(Alex Winogradoff)氏も、在宅勤務者が利用できるネットワークのキャパシティとアクセスの拡充が企業にとって最大のメリットになるとの見方を示している。とりわけ地方に住んでいる従業員が、長距離を移動しなくてもビデオ会議システムを使って会議に参加できるメリットは大きいという。

 「多くの人々が自宅で仕事できるようになるという点も、この計画の付随的な利点だ。都市だけではなく、地方のさまざまな地域にアクセスできるようになるということは、企業の立場から見ても有益だ」(ウィンノグラドフ氏)

 一方、国際的な経営コンサルティング会社、PRTMのディレクターで電気通信分野の責任者を務めるダン・ヘイズ(Dan Hays)氏は、医療や電力業界への波及効果を指摘する。これらの業界で技術面の効率が高まれば、社員の健康維持に要するコストや電力料金などの面で企業の負担が減る可能性もあるからだ。また、通信速度が高まれば、ブロードバンド接続を利用した事業の収益も高まるという。

 「今週発表された計画を見ても、企業のニーズに焦点を当てた施策は盛り込まれていない。しかし、この計画が達成されれば、企業にも多くの付随的な恩恵が及ぶはずだ」(ヘイズ氏)

(Brad Reed/Network World米国版)

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