スカイプ、シスコの幹部を新CEOに指名
シスコのエンタープライズおよびサービス・プロバイダー部門を率いてきたトニー・ベイツ氏は豊富な経験の持ち主Skypeが米国Cisco Systemsからトニー・ベイツ(Tony Bates)氏を引き抜き、最高経営責任者(CEO)に指名した。同氏はCiscoで中核的な事業の責任者を務めていた人物だ。
ベイツ氏はCiscoに在籍していた15年間に、大企業および中小企業、さらにはサービス・プロバイダー向けのネットワーキングに関して豊富な経験を積んできた。同社での直近のポジションはエンタープライズ/コマーシャル/スモール・ビジネス部門上級副社長兼ゼネラル・マネージャーであり、会長兼CEOのジョン・チェンバース(John Chambers)氏の直属となっている。ベイツ氏は10月末日をもって、臨時CEOを務めていた財務および管理最高責任者のエイドリアン・ディロン(Adrian Dillon)氏の職を引き継ぐ。Skypeの取締役会にも加入するそうだ。同社の前CEOであるジョシュ・シルバーマン(Josh Silverman)氏は退任する。
Skypeは無料もしくは安価なVoIP(voice over Internet Protocol)サービスから事業を興したが、その後、テキスト・メッセージングやビデオ・メッセージング分野にも手を広げた。2005年にいったんeBayに買収されたが、2009年に入り、Skypeの共同創立者とSilver Lake Partners率いる投資企業グループが同社を所有することになった。2010年初頭には、米証券取引委員会にIPO(新規株式公開)を申請している。同社によれば、登録ユーザー数は世界全体でおよそ5億6,000万人に達しているという。
Ciscoは10月4日、ベイツ氏が新たな仕事をするために社を去ることになったとブログに記した。同社のエンタープライズ/コマーシャル/スモール・ビジネス部門上級副社長兼ゼネラル・マネージャーには、Ciscoの最高技術責任者(CTO)であるパドマスリー・ウォリアー(Padmasree Warrior)氏が就任する。ベイツ氏はそのほかCiscoのサービス・プロバイダー用機器事業の責任者であり、キャリア向けルータ「CRS-1」や「Cius」エンタープライズ・タブレットの開発にも関与していたそうだ。
Current Analysisのアナリスト、ブライアン・リッグス(Brian Riggs)氏は、「エンタープライズ市場にいくつか製品を投入するも鳴かず飛ばずだったSkypeにとって、ベイツ氏の経験は価値があるだろう」と分析している。
「Skypeが置かれている現状や今後の計画ががらりと変わり、エンタープライズ市場においてより有効な戦略を打ち出せるようになる可能性がある」とリッグス氏は述べ、ベイツ氏が大企業および中小企業市場のみならず、音声市場の力関係についても熟知している点に言及した。Skypeはエンタープライズ事業を活性化し、同社の技術が生む収入を増やしたいと考えているが、過去数年間の取り組みは順調に進まなかったとリッグス氏は指摘している。
さらに同氏は、SkypeはCiscoやその他のエンタープライズ・ユニファイド・コミュニケーション・ベンダーと正面から対決するのではなく、自社のサービスとIP PBX(private branch exchange)といった既存機器の統合性を強化する方向を目指すだろうと予想した。
ベイツ氏の移籍が与える影響については、CiscoよりSkypeのほうが大きいという。「Ciscoの社内にはすぐれたリーダーが山ほどおり、ベイツ氏の穴を埋めるのは特別難しくない」(リッグス氏)
(Stephen Lawson/IDG News Serviceサンフランシスコ支局)



























