タイ洪水後のHDD価格高騰がひとまず沈静化
SSDの値段も昨年より23%ダウンハードディスク・ドライブの人気機種の価格が落ち始めている。タイで大規模な洪水が発生し、主要な生産施設が閉鎖に追い込まれたあと2011年10月に製品在庫がいったん尽きかけたが、現在は最悪の状況から脱しつつある模様だ。
今回の洪水で最も深刻な打撃を受けたのはHDDメーカーWestern Digitalで、リサーチ企業IDCの調べによれば、同社の生産ラインは最大75%が一時的にストップしたという。
eコマースの動向を追っているWebサイト「Dynamite Data」が新たにつかんだ情報から、「Newegg.com」や「Tigerdirect.com」といったサイトの販売ランキングでトップ50に入るHDDの値段は、洪水後に50~150%も跳ね上がっていたことがわかった。10月の価格急騰はドライブの在庫水準が90%下落してから1週間も経たないうちに始まったと、Dynamite Dataのデータ・アナリストであるクリストファー・クビキ(Kristopher Kubicki)氏は説明している。
「洪水が最初に起こったのは10月8日だった。それから1週間、あるいは長くとも2週間以内に、流通していた在庫のほぼすべてが枯渇した。販売業者から在庫が回収されたからなのか、それとも在庫がすぐに買い占められたからなのかはわからない。わたし自身は、流通に回ったHDDを意図的に取り戻し、システム製造業者へ供給した人々がいると考えている」(クビキ氏)
Dynamyteのデータは、ここ数週間はHDDの値段が横ばい状態にあり、ようやく徐々に下がり始めたことを示している。
「Western Digitalの主要(製造プラント)が稼働を再開してから1週間未満で、枯渇していたドライブの在庫が流通経路およびeコマース・サイトの両方で初めて増加に転じた。価格指数もわずかに上向くようになった」(クビキ氏)
IDCは、タイの洪水に起因するHDD供給不足は2013年に至るまで消費者やコンピュータ・システム製造業者、企業IT部門に影響をおよぼすと予測していた。
市場リサーチ企業IHS iSuppliのアナリスト、ファン・チャン(Fang Zhang)氏も、洪水後の記録的な高値と比べ、「じゃっかんではあるが」HDDの値段が下がっていると述べている。とりわけ11月の小売市場において、そうした現象が認められるという。
もっともチャン氏は、例えばデスクトップ/ノートブックPC用の500GBおよび1TBモデルなど、特定のドライブはいまだに在庫が不足していると注意を促した。
同氏は次の四半期にHDDの供給量が最低ラインに達すると予想しているが、2012年第1四半期後半には価格の下落が始まる見込みだという。
Computerworld米国版の取材に対し電子メールで回答したチャン氏は、「こうした傾向は2012年を通して続くだろう。しかし、(2012年第1四半期に)生産量が復活し、HDD供給は(2012年第3四半期の)需要を満たすことができると考えている」と述べた。
Dynamiteのデータからは、HDDの在庫が僅少化した10月、これに付随してSSD(フラッシュメモリ・ドライブ)の値段も急落したことがわかる。2010年11月に一時的な上昇が見られたものの、オンライン上のSSD価格が通年で23%下落したデータをクビキ氏は示してくれた。
「DRAMeXchange」サイトにあるデータも、タイの洪水によりHDD供給が途絶えたあと、SSDに対する注文が殺到した証拠の1つだ。
TrendForceのリサーチ部門である同サイトによれば、不況のせいでPCやスマートフォン、タブレットPCなどエンドマーケット製品の出荷が滞っている一方で、SSDへの需要は高まっているという。
さらに、eコマースにおけるSSDのレビュー数も昨年のHDDレビュー数より速いペースで増えているとクビキ氏は話した。
各ベンダーは、最大の得意客であるコンピュータ・システム製造業者の在庫を切らさないよう立ち回るはずなので、必然的に消費者向け小売り市場が在庫切れと価格高騰に悩まされることになるだろうと、アナリストらは口をそろえている。
IHS iSuppliとIDCはいずれも、タイの洪水による市場全体の品不足の規模は25~28%におよび、その状態が向こう6か月間は持続すると予想した。
(Lucas Mearian/Computerworld米国版)



























