グーグル、書籍検索のためのページ・スキャン作業を近く再開
米国グーグルが、著作権で保護されている書籍をスキャナで読み取って同社の書籍検索サービス「Google Print」のデータベースに登録する行為は著作権侵害にあたるとして2件の訴訟が起こされているが、同社はその作業を近日中に再開すると表明している。
今年8月にグーグルは、Google Printのデータベースへの登録を拒否する書籍を出版社が同社に通知するための時間的猶予を取るため、11月1日まで、著作権で保護されている書籍のスキャンを一時中止すると発表した。その期日が到来し、グーグルは、提携先図書館が所蔵している著作権物のスキャンを再開する予定だとしている。具体的な再開日程は未定という。
Google Printは、書籍の全ページをスキャンしてデータベースに取り込むことで、書籍の内容を検索できるようにするという構想である。しかし、著作権でまだ保護されている書籍も対象にしているのは著作権侵害にあたるとして、著作者協会(AG: The Authors Guild)と米国出版者協会(AAP: The Association of American Publishers)がグーグルを提訴した。
著作権物のスキャンを再開するというグーグルの決定について、「リスクが大きい行為だと思う。それは明らかに、書籍をまるごと1冊コピーする行為であり、米国の法律では著作権侵害にあたる」と、知的財産権問題を専門としているバナー&ウィットコフ法律事務所のパートナー弁護士、ブラッドリー・ライト氏は指摘している。
グーグルは、著作権者が拒否の意思表示をすればその著書のデータをGoogle Printデータベースから取り除くとしている。しかしながら、著作権法では従来、コンテンツを利用したい者が「特に断りがないかぎり利用が認められる」と見なすのではなく、「事前に明示的な許可を求める」ことを義務付けてきた。またグーグルは、Google Printのユーザーは著作物の全体ではなく断片にアクセスできるだけであるため、Google Printプログラムはコンテンツの公正利用であって、著作権法にも違反しないと主張し続けている。
グーグルは、書籍の取り込みを再開する際には、絶版になっている古い素材を優先していくと述べているが、絶版になっていない書籍も一部含まれる可能性があると述べている。古い書籍は入手しにくいが、グーグルがそれらをスキャンすることで、それらの書籍に人々が接するのが容易になる、と同社は述べている。
さらに、グーグルはその声明で、図書館から蔵書をスキャンする許可を得る「ライブラリ・プログラム」よりも、出版社と提携して書籍をスキャンする許可を得る「パブリッシャー・プログラム」の方が重要だと強調した。グーグルはこの2つの異なるプログラムを通じて、Google Printデータベースに書籍のデータを登録している。ライブラリ・プログラムで登録した書籍では、グーグルが検索結果として表示するのは、書誌情報と、ユーザーが入力した検索キーワードが見つかった箇所の数文だけに限られるが、パブリッシャー・プログラムで登録した書籍では、それよりも多くの情報を検索結果に表示することができるという。
どのような契約書が作成されているかによって異なるが、多くの場合、出版社は自社で出版している作品を複製する権利を有しており自社が出版している書籍の取り込みをグーグルに認める契約の交渉や締結を著者の許可を得ずに行なえる立場にある、とライト氏は指摘している。
なお、グーグルのライブラリ・プログラムに参加している図書館は、それぞれが少しずつ異なる内容の契約をグーグルと結んでいる。たとえば、ミシガン大学は、著作権で保護された書籍を含むすべての蔵書を対象としているのに対し、ニューヨーク公立図書館とオックスフォード大学は、著作権が切れた書籍だけを対象としている。
続報:「Google Print」が「Google Book Search」に改称
米国グーグルの製品マーケティング・マネジャー、ジェン・グラント氏は11月17日、書籍検索サービス「Google Print」スを「Google Book Search」と改称したことを同社のブログで明らかにした。元の名称では、オンライン印刷サービスであると勘違いするユーザーが多かったことから、誤解の余地をなくすために名称を変更したという。
(Originally reported by Nancy Gohring, IDG News Service 11/17/2005)
(IDG News Service)
























