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IT業界動向

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米国ベンチャー・キャピタルに聞く──2005年に投資した注目の新興企業

(2005年12月26日)

 企業向けIT市場で、今、何が注目されているのかを知りたければ、ベンチャー・キャピタルの“金の流れ”を追跡すればよい。従来型のビジネス・モデルやアプリケーションに対する関心が薄れるなか、現在、革新的でセキュアなITソリューションを低コストで提供する新興勢力に多額の資金が集まっている。

 プライスウォーターハウスクーパース(PwC)とトムソン・ベンチャー・エコノミクス、全米ベンチャー・キャピタル協会が共同で実施した調査「MoneyTree Survey」によると、今年、ベンチャー・キャピタルが新興企業に投資した金額は、2002年の217億ドルをしのぐ過去3年間で最も高い水準に達したという。

 また、2005年第3四半期に単独の業種としてベンチャー・キャピタルから最も多くの資金を集めたのはソフトウェア業界であった。185社のソフトウェア・ベンダーに対して、およそ10億ドルが投入されたという。同時期にはライフ・サイエンス分野にも16億ドルが投入されたが、同分野は複数の業種で成り立っている。したがって、ソフトウェア業界への投資額がいかに大きいかが理解できよう。

 2000年にドットコム・ブームが最高潮に達したあと、ベンチャー・キャピタルによる投資は大きく落ち込んだが、ここ数年の投資額は年間で約200億ドルと高い水準を保っているという。

注目分野は「セキュリティ」「モバイル」「BI」

 個人所有の投資会社LLRパートナーズのパートナー、ミッチェル・ホーリン氏は、ベンチャー・キャピタルの投資動向について、「ドットコム・ブーム後の投資の谷間を抜け出し、今、“慎重な楽観主義”の時期に入っている」と指摘する。同氏は、革新的なアプリケーションの登場が期待される分野として、セキュリティ、モバイル・アプリケーション管理、BI(Business Intelligence)の3つを挙げている。

 同氏によると、企業の支出は再び上昇に転じているものの、全体として見た場合、ITに関しては、依然として整理統合の段階にあるという。また、多くの企業が、今すぐ多額の資金を調達しなければならないといった状況に陥ることのないように、既存の技術を最大限に活用できるアプリケーションを探し求めているとしている。

 今月、米国IDGのCEO(最高経営責任者)を辞任し、IDGベンチャーズのゼネラル・マネージング・ディレクターに就任するパット・ケニーリー氏は、「ベンチャー・キャピタルの投資は、確かに企業向け製品分野に戻りつつあるが、その大半はサービスとしてのソフトウェアやマネージド・サービスなどの分野に流れ込んでいる」と指摘する。

 投資会社ファンデーション・キャピタルLLCのゼネラル・パートナー、ウォーレン・ワイス氏も、サービスとしてのソフトウェアを重視するケナリー氏の意見に同調する。「オンデマンドのコンピューティング・モデルを採用し、使いやすいインタフェースと拡張性を有する優れたソフトウェアを提供する新興企業が優位に立っている」(ワイス氏)

 ファンデーション・キャピタルLLCは、現在、アイテムフィールドが提供するアプリケーション統合ソフトウェアの革新的な料金プランに注目し、同社に投資を行っている。今年12月初旬に、ドイツのSAP AGが、ミドルウェア・プラットフォーム「NetWeaver」にアイテムフィールドのソフトウェアを統合すると発表したことについて、ワイス氏は、「これにより、NetWeaverとの間でやり取りされたデータ量に基づいて、利用した分だけの料金が請求されるようになる」と語る。

 ファンデーション・キャピタルLLCでは、ほかにも、カリフォルニア州サン・マテオを拠点とするリアデン・コマースに投資を行っている。リアデン・コマースは、オンデマンド・プラットフォームを開発する有力ベンダーの1社である。同社が開発した「Employee Business Services(EBS)」は、出張や荷物の発送、音声/Web会議、食事といった従業員向けのWebサービスを調達するための共通のインタフェースを備えたグリッド対応の電子調達サービス・アプリケーションだ。

高まるオープンソース・ソフトへの期待

 投資会社インデックス・ベンチャーズのゼネラル・パートナー、バーナード・ダーレ氏によると、BI関連の業務コスト節減を支援するオープンソースのソフトウェアやサービスも注目を集めているという。インデックス・ベンチャーズは先ごろ、米国ニュー・エンタープライズ・アソシエイツLLC(NEA)と共同で、オープンソースのBIソフトウェアを提供するペンタホに対し、約500万ドルを出資すると発表した。同社が提供するBIソフトウェア「Pentaho」のコードは80%まで無償で入手することができるという。ただし、残り20%の拡張性を確保するために必要となるコードは、ライセンス契約に基づいて購入する必要がある。

 ダーレ氏は、「ITの整理統合が進むこの時期に、コストを抑えたいと考える企業は、オープンソースのディストリビューションや開発モデルに注目するはずだ」と指摘する。なお、インデックス・ベンチャーズはこれまでに、MySQL AB、シュガーCRM、ゼンド・テクノロジーズなどのオープンソース企業に投資を行ってきた。

(マーク・フェランティ/IDG News Service)

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