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マイクロソフト、医療IT市場への参入を本格化──医療情報管理ソフトを買収

(2006年07月27日)

 米国マイクロソフトは、7月26日、さまざまなソースから集められたデータを取りまとめ、電子情報のかたちで医師に提供する医療用ソフトウェアの買収で合意したと発表した。同社は、近年医療向けIT市場に力を注いでおり、今回の動きもその一環と見られている。

 マイクロソフトは、ワシントン・ホスピタル・センターで考案されたシステム「Azyxxi」を買収し、今後も開発を継続して全世界の病院に提供する計画だ。同社は、契約に基づいて、ワシントン州地域で複数の病院を所有し、実際にAzyxxiを使っているメドスター・ヘルスと提携した。

 Azyxxiの開発者とソフトウェア開発チームのスタッフ40人は、マイクロソフトに移って市販システムの開発を進めることになっている。なお、この提携に関する財務面の内容は明らかにされてない。

 ワシントン・ホスピタル・センター医療情報科学研究所のクレイグ・フィード所長は、Azyxxiについて、治療に関する意思決定を迫られた場面で医師や看護師が重要なデータに素早くアクセスできるようにするシステムとして機能すると説明している。

 フィールド氏は、「これまで、医療機関や病院には、ソフトウェアと情報科学に関する知識がほとんどなく、マイクロソフトなどの大手企業は、医療に関する知識がほとんどなかった。今後、その状況は変化することになる。双方の協力が進めば、垣根が低くなるからだ」と強調する。ちなみに、同氏自身も、契約に基づいてマイクロソフトに入社することになっている。

 Azyxxiは、1996年にワシントン・ホスピタル・センターの救急診療部に初めて導入されたシステムで、EKG(心電図)、文書スキャン、X線映像、コンピュータ化された断層撮影スキャン、磁気共鳴映像スキャン、超音波映像など患者に関する基本的な医療情報をすべて保存可能なリポジトリとして機能する。

 また、あらゆるデータが格納されている各種のシステムからライブで情報を受け取り、そのデータを統合することもできるという。

 現在Azyxxiは、メドスターが運営する4つの病院の緊急救命室で使用されており、必要なデータを迅速に提供する一方で、40TBを超えるライブ・データを管理している。

 Azyxxiは、Microsoft .Net Frameworkをベースとし、SQL Serverを使用する。マイクロソフトによると、このシステムには、Tablet PCやPocket PCなどさまざまなデバイスからアクセスすることができる。

 フィールド氏は、Azyxxiが8分の1秒でクエリに応答し、一般的な患者に関するデータ要素を1万2,000件以上格納できるほか、分析ソフトウェアも搭載されており、「干し草の山から針を探すような作業も簡単に行うことができる」と説明する。

 例えば、病院内で抗生物質を使っている患者の中から特定の抗生物質に耐性を持つ患者を追跡し、これらの患者にはその抗生物質を使わないよう医師に注意を促すといった使い方もできる。また、緊急救命室に運ばれてきた胸痛患者へのアスピリン投与などを指示する米国医療標準の順守状況を追跡することも可能である。

 フィールド氏は、「Azyxxiを導入したことで、死亡率が低下した。このシステムは、人命救助に実質的な貢献をしている」と語る。

 マイクロソフトが新たに設置したヘルス・ソリューションズ・グループのコーポレート副社長ピーター・ニューポート氏によると、同社は、Azyxxiを商業化し、米国内の他の病院や大きな医師グループに提供する計画だという。

 ただし同氏は、この計画の具体的な日程を明らかにしていない。医療分野では、ITを使ってプロセスを改善し、治療体制を強化することにより大きな利益が得られると期待されているが、他の業界に比べITへの投資額は多くないと述べている。

(ヘザー・ヘイブンステイン/Computerworld 米国版)

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