マイクロソフト、ノベルとの提携で4億ドル以上を支出
ノベルとの間でLinuxに関する歴史的な提携を成立させたマイクロソフトは、今後5年間にライセンス料金や販売/マーケティング費用などで総額4億4,000万ドルを支払う見通しだ。これは、ノベルが11月7日に米国証券取引委員会(SEC)に提出した文書で明らかになったもの。
マイクロソフトとノベルは、先週末驚くべき内容の提携を発表した。マイクロソフトのCEO(最高経営責任者)、スティーブ・バルマー氏は、この提携について、「オープンソース・ソフトと独自ソース・ソフトの分断状況に橋を架けるための努力」と説明している。契約では、マイクロソフトがノベルのSUSE Linuxに対してマーケティングと販売面での支援を提供するほか、ライバル関係にある両社のOSを顧客が統合できるようにするための技術を共同開発することが取り決められている。
またマイクロソフトは、7万本分のSUSE Linuxのサブスクリプション証書を配布し、自社の顧客がノベルからSUSEのアップデートやテクニカル・サポートを受けられるようにすることにも同意した。
しかし、今回の提携で最も論議を呼んでいるのは、特許に関する協力を定めた部分だ。この部分で、マイクロソフトは、ノベルの顧客に対し特許訴訟を起こさないことを約束した。
ノベルは、11月7日に明らかにされた覚書のなかで、この契約をマイクロソフトとノベルの顧客の間で結ばれた『盟約』と位置づけている。これに対し、Linux支持派の人々は、ノベルとマイクロソフトの間で結ばれた実質的な特許のクロスライセンス契約であると主張している。このような契約は、ディストリビューターと特許所有者との独占的な契約を禁じている、Linuxのソフトウェア・ライセンスGNU General Public License(GPL)に違反する可能性がある。
ノベルは、こうした見方に異論を唱えている。同社は、そのWebサイトで、「当社の顧客は、マイクロソフトから直接訴えられることはないという確約を得た。われわれは、GPLと矛盾するような条件でマイクロソフトと同意したわけではなく、GPLを完全に順守している」と説明している。
しかし、フリー・ソフト推進派のブルース・ペレンス氏は、この合意が法廷で支持される可能性は低く、特許協定の一環として、ノベルがマイクロソフトに4,000万ドル以上のお金を支払うことになっているという事実からも、この契約が特許のクロスライセンスに当たると指摘する。「財務面の条件を考慮すれば、金銭のやり取りを伴う特許ライセンス契約が存在していることは明白だ」と同氏。
GPL違反でノベルかマイクロソフトを訴える可能性が最も高いのは、フリー・ソフトウェア財団(FSF)だ。ペレンス氏によると、FSFは、Linuxの主要な部分に対する著作権を主張しているという。
しかしFSFの法律顧問であるエベン・モグレン氏は、マイクロソフトとノベルとの契約には注目しているものの、ノベルが発表した文書にはコメントできないとしている。
ノベルは、11月7日にSECに提出した文書のなかで、マイクロソフトがSUSE Linuxの証書を得るため、まず2億4,000万ドル支払うほか、販売業務に総額3,400万ドルを支出し、5年間の契約期間中に行われるマーケティング活動にも毎年1,200万ドルずつ支払うことを明らかにした。
また特許に関する契約では、まずマイクロソフトがノベルに1億800万ドルを支払う一方、ノベルも5年間にわたり、売上高の一定割合をマイクロソフトに渡すことになっており、その総額は4,000万ドルを超える見通しだ。
さらにマイクロソフトは、向こう3年間、他のLinuxディストリビューターと同様の契約を結ばないことにも同意したという。
(ロバート・マクミラン/IDG News Service サンフランシスコ支局)
























