SEC、小規模企業へのSOX法の適用期限を延長
米国証券取引委員会(SEC)は12月15日、一般の投資家が保有する株式の総額が7,500万ドルを下回る小規模企業に対し、米国企業改革法(Serbenes-Oxley Act:SOX法)の順守期限の延長を認め、同法で義務づけられている有価証券報告書の提出が少なくとも1年猶予されることになった。
これまで、SOX法に基づく有価証券報告書の提出期限は、2007年7月15日とされており、この期限までに、すべての上場企業が監査役を通じて内部統制の実効性に関する経営評価を証明するよう求められていた。
今回発表されたSECの措置により、小規模株式公開企業は、2007年12月15日までの会計年度に対応する年次報告書の中に、内部統制の経営評価を盛り込めばよいことになり、SOX法に準拠した有価証券報告書等の提出は2008年12月15日を期限とする会計年度まで延期されることになった。
SOX法は、2001年に発覚したエンロン事件に代表される企業スキャンダルを防ぐために2002年に立法化され、2004年末から大手株式公開企業への適用が始まった。しかし、小規模企業については、SECは法律の適法方法の解釈を明確に示しておらず、これまで数回にわたって法律の適用時期が延長されてきた。
SECの報告書によると、米国には7,402社の小規模株式公開企業があり、株式会社全体の78.5%を占めているという。
AMRリサーチの業界アナリスト、ジョン・ハガティ氏によると、今回の措置により、経営評価の期限は5カ月延長されたが、ほとんどの企業が12月31日を会計年度末としていることから、2007年末までにSOX法に対応しなければならず、ほとんどの企業にとって救済にはならないという。
「現実に早期の対応が求められている企業(会計年度が7月31日で終了する企業など)にとっては、一定の救済策になるかもしれないが、多くの企業が救済されるとは思えない」と同氏は指摘する。
SECは、15日に発表した2007年12月と2008年12月の期日について、さらに延長する可能性を示唆している。SECによると、企業にガイドラインを提示するなど、これらの期日を守れるよう支援していくが、それを達成できそうにない場合には、期日の再延長を検討する可能性もあるという。
今回の措置は、小規模株式公開企業が有価証券報告書を提出する際の負担を軽減するためにガイドラインを提示する意向であるとSECが明らかにした2日後に発表された。これまで小規模株式公開企業からは、SOX法に順守するために膨大なコストを要することに不満が出ていた。
SECの専門業務担当副会計主任ゾエボナ・パームローズ氏は、12月13日の会議の中で、「われわれが提案した指針は、評価を支援するという意味で、企業の経営陣に大きな柔軟性を与える」と強調している。
SOX法が全面適用になれば、信頼性の高い有価証券報告書が提出されるようになり、重要な経営内容についての情報が公開され、一般の投資家もそれを参照できるようになると期待されている。
なかでも企業改革法404条は、有価証券報告書の提出、内部告発者プログラムや不正行為防止対策の実施、監査委員会の実効性の確保といった要件についての誠実で倫理的な取り組み、IT統制を義務づけており、議論の的になっている。
パームローズ氏によると、SOX法に基づいて設置された公開企業会計監督委員会(PCAOB:Public Company Accounting Oversight Board)は今週、経営陣が内部統制を評価するために使用している手法と手続きの有効性を監査役が評価するよう求める要件の撤廃を提案する見通しだという。
CFOなど財務関係専門職の団体であるフィナンシャル・エグゼクティブ・インターナショナルの上級副会長グレース・ヒンクマン氏は、SECとPCAOBが今月になって打ち出している一連の措置により、SOX法への順守がより容易になるとの見方を示している。
同氏は、「SECは、われわれの基本的な懸念事項を解消するために、さまざまな措置を講じていると感じている」と評価する。
しかし、企業がSOX法を順守できるよう支援しているロード&ベノイトのボブ・ベノイト氏によると、SECは以前にも同様の提案を行ったが、小規模株式公開企業が自分たちに課された義務を理解するのに役立つ最終的なガイドラインを提示することを怠っているという。
「SECは、法律を順守するためのガイドラインすら提示しておらず、きちんと役割を果たせているとは言い難い。今後、彼らが重要な施策を打ち出せるとも思えない」と同氏は厳しく批判している。
(ジョン・ブロウドケン/Network World 米国版)



























