クアルコム、ITCの輸入禁止命令に大統領の拒否権行使を要求
「ITCの決定は、公共の利益や安全を保護しない」と反論米国クアルコムは6月7日、米国国際貿易委員会(ITC)が同社の一部新製品を米国内へ輸入禁止とした命令に対し、「ITCの命令は公共の利益や安全を保護しない」と反論。同命令に対するジョージ・W・ブッシュ大統領の拒否権の行使を要求するとともに、米国連邦巡回控訴裁判所に対し、是正措置の緊急停止を要求する意向を明らかにした。
この問題は6月7日、ITCがクアルコムの3G(第3世代)対応高性能モバイル・チップを搭載した携帯電話およびPDAの新製品を対象に、米国内への輸入を禁止する命令を下したというものである。
ITCは昨年末、米国ブロードコムが持つ携帯電話の電源管理に関連する特許技術を、クアルコムが侵害したと認定している。クアルコムの3G対応高性能モバイル・チップには同技術が利用されており、今回の輸入禁止は、この認定に基づいたものだ。
今回の命令を下すにあたっては、ITC内部でも意見が分かれたようだ。ITCによると、5名の国際貿易委員のうち、輸入禁止命令に賛成票を投じたのは3名、他の2名は「より限定的な方法案」に賛成票を投じたという。
また、すべての国際貿易委員は、「輸入禁止命令は、公衆衛生と公共の福祉に悪影響を及ぼす可能性がある」ことは認めたものの、輸入禁止対象を3G対応高性能モバイル・チップを搭載した携帯電話およびPDAの新製品に限定し、既存の製品を輸入禁止対象から除外することで、「悪影響は軽減できる」と結論づけたという。
同命令に対し、クアルコムは同日に「非常に失望している」との声明を発表。同社のCEO、ポール・ジェイコブス氏は、声明文の中で以下のように主張している。
「ITCの命令は、われわれが抱える一連の特許侵害の訴訟に関し、出廷して意見を述べる機会さえ与えられなかったサード・ベンダーに対して直ちに影響を及ぼすものだ。われわれは米国政府に対して、ITCの命令に拒否権を行使することを要求する。モバイル・ブロードバンド通信や災害準備、緊急対応の分野で実現してきた成果が、(今回の命令により)逆行するようなことがあってはならない」
(ジョン・コックス/Network World 米国版)



























