活発なM&Aで投資家の人気を集めるITセクター
IT企業を中心にした今年前半のM&Aは金額ベースで大幅増このところの活発なM&Aが、ITセクターへの投資意欲をかきたてている。2007年前半のM&Aは、金額ベースで大幅増を記録した。好調な企業収益に支えられ、IT企業の株価も上昇気流に乗っている。
ハイテク株の比重が高いナスダック総合指数は、今年前半に7.8%上昇した。独立記念日で市場が休場だった7月4日の前日には、同指数は12.65ポイント高の2644.95で取り引きを終え、6年半ぶりの高値をつけた。
ほとんどの調査会社は、今年の世界IT支出を前年比6.5%増前後の緩やかな成長と見込んでいる。だが、好調な企業収益や一部分野の予想以上の成長といった要因から、一部の市場を中心に強気な見通しも出されるようになってきた。例えば、ガートナーとIDCは最近、今年のPC出荷の成長率予測を上方修正している。
M&Aの活況が続いていることも報告されている。調査会社451グループによると、2007年前半に発表されたM&Aの件数は1,930件で、金額ベースでは総額で約3,470億ドル規模だった。件数だけを見ると前年同期比で微減となったが、金額は前年同期比約50%増の大幅な伸びを示している。M&A件数のうち、上場企業によるものと非上場企業によるものがほぼ半々の割合だった。
また、今年に入ってM&Aのペースが加速しており、第1四半期に950億ドルだったM&A金額は、第2四半期には2,520億ドルに達した。
IT分野のM&Aは、M&A金額全体の中で大きな割合を占めている。例えば、今年前半のITサービス分野のM&Aは約947億ドルで、ソフトウェア分野(ストレージ企業とセキュリティ企業によるものを除く)は276億ドルだった。
最近では、M&Aは対象企業の事業が健全であることを示すものと見られている。だが、以前は必ずしもそうではなかった。「非上場企業は、以前は破綻企業を買収していた」と、451グループの金融アナリスト、ブレントン・デーリー氏は語る。今では、ITサービス企業やソフトウェア・ベンダーが会社を売却する場合、その理由はさまざまだという。
「上場企業であることには苦労も伴う。例えば、企業改革法の施行により、企業は厳しいチェックを受けるようになった」と同氏。そのため、特に小規模企業では、買収されることを歓迎するケースも目立っている。
ITサービス会社がよく買収の標的となるのは、確実な収入が見込めるからだと、デーリー氏は説明する。顧客の開拓は大変だが、いったん顧客を獲得すれば、長期契約によって確実な収入が得られる。ソフトウェア会社の場合も、新規販売によるライセンス収入の伸びは鈍化しているかもしれないが、保守サービスという安定した収入源がある。
通信分野における最近のM&Aも市場に歓迎されている。例えば、AT&Tが6月29日に携帯電話事業者ドブソン・コミュニケーションズを28億ドルで買収すると発表したことは、ナスダック総合指数が高値を記録するのに一役買った。
デーリー氏は、IT分野の活発なM&Aはいくつかの点でITセクター投資の活況につながっていると指摘する。まず、企業が買収されて株式市場から退場すると、投資先銘柄が少なくなり、投資家にとっては、資金調達が容易な現在の環境下で、より投資がしやすくなる。また、M&Aが発表されると、業界再編がさらに進むと予想した投資家が、次に買収されると目星をつけた企業に投資を行う。
ただし、こうした思惑だけで投資が行われているわけではない。ITセクターへの投資意欲は、好調な企業収益の裏づけに支えられてきた。今後数週間は決算シーズンとなるが、最新の業績動向は今年後半の基調を占うのに好材料となるだろう。
(マーク・フェランティ/IDG News Service ニューヨーク支局)



























