IT業界の堅調さを物語る好決算とIPO
株価急落のなか、IT企業の前向きなニュースが相次ぐマクロ経済への懸念から、今週の米国株式市場は大荒れとなっている。だが一方で、アップルの好決算、ボルテアやネテッザのIPO(新規株式公開)、ヒューレット・パッカード(HP)によるオプスウェア買収など、IT分野では前向きなニュースが相次いだ。
大手IT企業のほとんどは4-6月期決算を発表済みだが、主要企業数社が今週発表した決算も、さまざまな技術分野の市場が好調であることを浮き彫りにした。
注目されていたアップルは7月25日、同社のスマートフォン「iPhone」の4-6月期(発売日の6月29日と翌30日)の販売台数が27万台だったことを明らかにした。この数字は、提携先のAT&Tが先週発表したiPhoneのアクティベート・ユーザー数(14万6,000人)を大幅に上回り、アップル支持者を安心させた。
アップルは主力事業が好調で、4-6月期におけるMacの出荷台数が前年同期比33%増の170万台、iPodも同21%増の980万台となり、8億1,800万ドル(同73%増)の純利益を計上した。
26日のアップル株は前日比8ドル42セント高の145ドル68セントで取り引きを終えた。ゴールドマン・サックスは、大型製品のリリースによってアップルの収益と株価はさらに伸びるとの見通しを示し、同社の目標株価を135ドルから165ドルへと引き上げている。
しかしその一方で、米国の住宅、住宅ローン、クレジットといった業界動向への懸念から、IT株が多いナスダック市場を含めて株式市場は急落し、他のIT企業の株価は値下がりした。好調な企業業績の発表を受け、それまでナスダック総合指数は6年ぶりの高水準を記録していた。
アップルにかぎらず、今週発表されたIT企業の決算も、概して明るい内容だった。
ソニーは、ゲーム事業が低調だったものの、エレクトロニクス部門の四半期売上げが11.6%伸びている。その結果、純利益は665億円(5億3,400万ドル)に倍増した。
ストレージ大手のEMCは、子会社のヴイエムウェアなどが牽引役となり、4-6月期の純利益として3億3,400万ドルを計上、前年同期比で20%増やした。なお、ヴイエムウェア株の一部は7-9月期に新規公開される予定となっている。
アマゾン・ドットコムの株価は、24日に発表した四半期決算が好感され、20%以上値上がりした。同社の4-6月期は、会員制サービスのAmazon Primeの貢献により、純利益が前年同期の3倍以上に当たる7,800万ドルとなった。これを受けて、25日の株価は86ドル18セントと16ドル93セント上昇し、1日の上げ幅としては1997年のIPO以来最大を記録した。
また今週は、ITベンダーのIPOや大型買収が投資家の期待をかき立てた。
サーバ、ストレージ・スイッチング、ソフトウェアを扱うボルテアは24日、ナスダックに新規上場した。公開価格は9ドルで、ほとんどの株式指数が下落したなかでの同日の終値は8ドル33セントだった。ちなみに先週は、データ・ウェアハウジング・アプライアンス・メーカーのネテッザが、IPOで1億800万ドルを調達する計画を発表している。
一方、HPは23日にITベンダー2社を買収すると発表。データセンター自動化ソフト・ベンダーのオプスウェアを約16億ドルで、シン・クライアント・デバイス・メーカーのネオウェアを2億4,100万ドルで買収する予定だ。
(マーク・フェランティ/IDG News Service ニューヨーク支局)
























